2004年3月21日(日)「しんぶん赤旗」
「3・20国際共同行動IN東京・芝公園」集会での志位和夫委員長のあいさつ(大要)を紹介します。
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日本共産党の志位和夫でございます。
日本共産党を代表して、みなさんに心からの連帯のごあいさつを申し上げます。
きょう、三月二十日は、米英軍がイラク戦争を開始してから、ちょうど一周年の日であります。この一年は、無法な侵略戦争をはじめたものが、歴史によって裁かれ、世界で孤立を深めた一年だったのではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)
米英が戦争開始の最大の「大義」とした「大量破壊兵器」は、いまにいたるも見つかりません。それどころか、米国イラク調査団長は、「もともとなかった」と証言し、昨日、ポーランドの大統領は、「つくり話にだまされていた」と批判しました。この問題での歴史の判定は、はっきりくだったのではないでしょうか。(拍手)
世界をウソによって欺き、無法な戦争にのりだした米英両国政府と、それに追随して無法な戦争に支持・加担した小泉内閣の責任は、絶対にあいまいにするわけにはいきません。(「そうだ」の声、拍手)
侵略戦争と軍事占領の最大の被害者は、イラク国民でした。イラク民間人の死者は一万人をこえ、バグダッドには親をなくした子どもたちがあふれています。戦争と占領への憎しみが広がり、毎日、バグダッドからテロと暴力の報道が絶えることはありません。イラクはテロリストの「理想の戦場」(国連報告書)とされ、中東地域でも、世界全体でも、テロの脅威はなくなるどころか、いっそう拡大し、深刻化しています。
みなさん、戦争で、テロをなくすことはできません。戦争は、テロと暴力の土壌を拡大するだけで、その解決策にはならないことを、証明したのがこの一年ではなかったでしょうか。(「そうだ」の声)
こんな無法が長つづきするでしょうか。しないことを劇的に証明したのがスペインの総選挙でした。米英とともに侵略と占領を推進した国民党政権が総選挙で大敗しました。次期首相となるサパテロ氏は、「イラク戦争も占領も完全な失敗だった」「憎しみと暴力、恐怖を拡散させただけだ」「ブッシュ大統領とブレア首相は自己批判することになるだろう」といいました。ここには、小泉首相の名も連ねなければなりません(「そうだ」の声、拍手)。そして、サパテロ氏は、「イラクの状況が変わらなければ、六月末までに駐留スペイン軍を撤退させる」と言明しました。(拍手)
みなさん、一年をへて、国連憲章をふみにじった侵略戦争と軍事占領は、破たんしつつあることは、もはや明りょうではないでしょうか。
小泉政権は、多くの国民の声をふみにじり、憲法をふみにじって、イラクへの自衛隊派兵を強行しました。
彼らは日本の国会では数の力を持っていますが、イラクと中東では、これは通用しません。最近、アラブ首長国連邦の有力紙アルバヤンがきびしい批判の論説をだしました。その表題は「さらば、友好的な日本人よ」というものです。アルバヤンはこういっています。
「日本がイラクの占領に参加することは、自らを友好的で平和的な国として押し出してきた努力を台無しにするものである」
「日本がイラクで引き受けた、米国の占領の手助けをするという役割のために、祖国の独立を守ろうとするイラク人が日本軍を標的にするのは当たり前であろう。占領に抵抗することは国際法に照らして合法的な行為なのだ」
日本の政府は、自衛隊を襲ってくるのは、プロのテロリスト集団だけのようなことをいいますが、「祖国の独立を守ろうとするイラク人」による抵抗もありうるのであります。こうした人びとに、自衛隊が銃口をむけ、殺傷することは、自衛隊は文字どおりの侵略軍に身を落とすことになるではありませんか。「自衛隊はただちに撤退せよ」――この声をつきつけようではありませんか。(拍手)
きょう、世界各国、日本各地で、人びとが集い、無法な戦争と占領への反対の声をあげています。歴史を動かすのは各国民衆のたたかいの力です。みなさん、声をそろえて叫ぼうではありませんか。
「国連中心の復興支援の枠組みをつくり、主権をイラク国民に返せ」
「占領軍はイラクから撤退せよ」
「自衛隊員をただちに家族のもとへ返せ」
「憲法九条を守れ」
みなさん、ともに頑張りましょう。(大きな歓声、拍手)