2004年2月29日(日)「しんぶん赤旗」
【北京=小寺松雄】北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議は最終日の二十八日午後、王毅・中国外務次官が議長声明を発表して閉幕しました。
声明は、「朝鮮半島の非核化のために努力する」「対話を通じて核問題を平和的に解決する」などの原則を再確認したうえで、「次回は六月末までに開く。各国は協議の準備のために作業部会を設置する。その機能は外交ルートで決める」ことに参加国が合意したと表明しました。「非核化」について王毅次官は「非核兵器化」であると説明しました。
また、「各国はそれぞれの立場について理解を深めたが、意見の相違もあった」としました。「核問題とその他の懸案事項を解決していくことに合意した」という表現で、ミサイルや日本人拉致問題などの懸案を継続協議していく方向も明らかにしました。これらの解決にあたっては「協調による一致という手順」を踏むことに各国は同意しました。
李肇星外相は閉幕式で「次回の協議と作業グループの設置などについて共通認識に達したが、これは協議のプロセスを推進する上で重要な意義を持つ」と語り、前進を高く評価しました。
二十五日から行われた協議では、北朝鮮の核兵器放棄をめぐって討論。米国と北朝鮮の間で立場の違いがあって、「共同文書」という形でなく「議長声明」になったものの、これは六カ国が合意した公式の文書。韓国の首席代表、李秀赫外交通商次官補も「協議で出る初めての文書だ」と意義を強調しました。
二十八日閉幕した北朝鮮核問題に関する第二回六カ国協議について日本共産党の志位和夫委員長は同日、次のような談話を発表しました。
一、六カ国協議の結果、議長声明が発表され、そのなかで「朝鮮半島の非核化」という目標と、それを「対話をつうじて……平和的に解決」する努力の継続をあらためて確認し、次回会議の六月末までの開催や作業部会の設置などを確認したことは、六カ国協議の枠組みを強化するものであり、歓迎する。
一、主要議題である「北朝鮮の非核化」については、重大な意見の対立が依然として存在している。わが党は、この問題の解決が東アジアの平和と安定にとって不可欠であるという立場を表明し、北朝鮮が核兵器開発計画を放棄するよう求めてきた。今回の協議で設置される作業部会で、非核化の内容とその検証方法、北朝鮮が要求する「安全の保証」などが具体的に協議され、国際的ルールと監視のもとで「朝鮮半島の非核化」が確実に促進されるよう期待する。
一、拉致問題については、今回の協議のなかでは、被害者五人の家族の帰国問題など、緊急に解決されるべき問題での具体的な進展が得られなかった。しかし、問題の解決の重要性への理解が一定の国際的な広がりを持つようになったこと、今回の協議のなかで日朝協議がくりかえしおこなわれ、両国間の協議継続が再確認されたことは前進であると考える。