2004年2月25日(水)「しんぶん赤旗」
【北京=小寺松雄】北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議は二十五日から北京の釣魚台国賓館で開かれます。二十四日までに北京入りした各国代表団は、同日夜の戴秉国・中国外務次官主催の夕食会で六カ国代表が初めて顔をそろえ、協議が実質的にスタートしました。
北朝鮮の核開発については、日米韓三カ国が二十三日に、高濃縮ウラン計画も含め「完全かつ検証可能で後戻りのできない方法での廃棄」を求める立場を確認しています。一方の北朝鮮は、外務省スポークスマンが二十四日、中国国営新華社通信の書面インタビューに対し、濃縮ウラン計画について「ありもしないもの」だと否定しました。
新華社電によると、北朝鮮首席代表の金桂冠外務次官は二十四日午前、中国首席代表の王毅外務次官と意見調整をしました。王次官は金次官に対し、「真剣で責任ある態度」で協議に臨むよう促しました。これに対し金次官は「われわれは柔軟性を示し、具体的な結果が出るよう努力する」と答えました。
一方、中国外務省報道局の章啓月副局長は二十四日の会見で、六カ国協議が「全関係当事国の利益となるメカニズム」として今後も継続することを望むと述べました。
また、北朝鮮が提案した核凍結に濃縮ウラン計画も含まれる、と王外務次官が述べたと報じられたことについて、「交渉の具体的な内容にかかわることについては言わないことにした」と言及を避けました。