2004年2月10日(火)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の市田忠義書記局長は九日、参院イラク有事特別委員会でイラクへの自衛隊派兵承認案が採決されたことを受けて国会内で記者会見し、次のようにのべました。
一、国会で承認を得る前に、八日に陸上自衛隊の本隊がイラク入りした。自衛隊がしるしたこの一歩は、イラク国民はもちろん、わが国と世界の平和を愛好する世論に対する許しがたい挑戦の一歩だ。平和憲法として世界に知られたわが国の憲法の歴史に、ぬぐいがたい汚辱の傷跡を加えた一歩でもある。
とりわけ見逃せないのは、法の建前として国会の承認を受けるとされていることさえ踏みにじって、その議決のないまま憲法違反の海外派兵計画をごり押しした小泉内閣の態度だ。短い期間の国会審議を通じても、戦争の大義も自衛隊派兵の根拠もことごとく崩れ去った。にもかかわらず、アメリカが求めるままに、このような暴挙を重ねる小泉内閣の態度は、法治国家にあるまじきものだ。
日本共産党は、イラクに派兵された自衛隊の撤兵と、派兵計画全体の破棄を強く要求する。
一、憲法の平和原則を根本から踏みにじる行為を、国会でまともに国民の前で説明することもなく強行した。国政をあずかる責任者として、誠実な、まともな答弁はいっさいなかった。歴代の自民党内閣でもひどすぎる。国民世論と国会をこれほど無視して、重大なことをやってのけた内閣というのは、かつてないのではないか。
一、きょうの承認案採決で終わったわけではない。二〇〇四年度予算案の審議のなかでもイラクの問題を重視して議論していきたい。自衛隊派兵賛成派の人でもちょっとひどすぎると感じ始めている人が多く、おおいに国民の中にもうって出て世論を喚起しながら、院内のたたかいと結んで引き続き運動を強めたい。