2004年2月4日(水)「しんぶん赤旗」
北朝鮮、韓国、中国、日本、米国、ロシアの六カ国協議が開かれるのは昨年八月以来六カ月ぶり、二回目。北朝鮮の核開発をはじめ北東アジアの平和を脅かす問題を話し合いで平和的に解決する上で重要な役割を果たす会議であり、進展が期待されます。
前回協議で六カ国は「対話を通じた平和的方式によって朝鮮半島の核問題を解決する」との共通認識に達し、解決に向けた重要な一歩を踏み出しました。しかし、北朝鮮の核兵器開発問題をめぐって同国と米国が対立し、協議再開に至る過程は難航しました。
米国は、北朝鮮が核開発を放棄することが先決という立場に固執。そうすれば北朝鮮の「安全の保証」を文書化する用意があるとしてきました。北朝鮮は、核計画の放棄と「安全保証」を同時に履行する「一括妥結方式」を主張しています。
北朝鮮が核問題を交渉の「カード」に使う瀬戸際外交で対応してきたことも困難を持ち込みました。北朝鮮は核兵器開発を「抑止力」として正当化。一月に北朝鮮を訪れた米国の専門家は北朝鮮が抽出したプルトニウムだという物質を見せられ、実験用黒鉛減速炉が稼働していたことも確認しました。
協議再開には中国が積極的な役割を果たしました。関係国とシャトル外交を繰り広げ、十月には呉邦国・全国人民代表大会常務委員長が訪朝し、金正日・朝鮮労働党総書記と会談して六カ国協議の継続を両国で確認しました。その後、日米韓三国が二回目協議で採択する文書案を作成し、中国を仲介に北朝鮮に同案を示すなどの折衝が続いていました。
共同文書づくりをどこまで事前に行うか、あるいは文書づくりそのものを協議にゆだねるかなど、協議までにはまだ交渉が続くとみられます。
(山田俊英記者)