2004年2月3日(火)「しんぶん赤旗」
フジテレビが「ノンフィクション」ドラマとして昨年の総選挙前に放送した「完全再現! 北朝鮮拉致“25年目の真実”」が、日本共産党にかかわる事実をねじまげ、名誉を棄損したため、日本共産党が同社に訂正放送・謝罪放送と損害賠償を求めた訴訟の第二回口頭弁論が二日、東京地裁で開かれました。このドラマは、警備公安警察に就職あっせんを依頼したために日本共産党を除名された兵本達吉元参院議員秘書があたかも拉致問題に取り組んだことを理由に除名されたかのようにえがいたもの。この日の口頭弁論で、日本共産党は番組が、日本共産党の社会的評価を失墜させるねらいで構成されたことを明らかにする準備書面を陳述しました。
準備書面は、同番組が、日本共産党の橋本敦参院議員の質問の写真を出した以外には、拉致問題での度重なる日本共産党議員の国会質問や、党として取り組んだ調査活動、「赤旗」報道などにはふれず、兵本氏が拉致問題で除名されたと悪意を持って描き、日本共産党が拉致問題に消極的と受け取られるようにしたことなどを指摘しました。
また、準備書面は、家族会結成が兵本氏除名の一年五カ月前であるにもかかわらず、番組が兵本氏の党除名の後に「家族会」結成に奔走したと印象づけるなど、数カ所で時間の経過を逆転させたことも指摘しました。
その結果、誤解した視聴者が党に「見損なった」「投票しない」などの批判、苦情を寄せるなど、「報道被害」が生まれていることを指摘。「明らかにノンフィクションの域を超え、選挙結果に影響を及ぼすことをねらった、極めて悪質な放送で、放送事業者の法的責任のみならず社会的責任も問われている」と主張しました。