日本共産党

2004年2月3日(火)「しんぶん赤旗」

イラク派兵承認案強行

内容、やり方とも重大

市田書記局長が会見


 日本共産党の市田忠義書記局長は二日、国会内で記者会見し、衆院で与党単独で強行可決したイラクへの自衛隊派兵承認案をめぐる国会状況について、「憲法の根本にかかわる自衛隊派兵承認をみずから求めておきながら、質疑を一方的に打ち切って与党単独で強行した。内容の重大性とともに、やり方としても国会審議のあり方を根本から踏みにじり、ウソをついてまで強引に認めさせようとしたところに問題がある」と指摘しました。

 与党がイラク・サマワの治安「安定」の第一の根拠としていた市評議会の存在について、首相や防衛庁長官が答弁を撤回せざるをえない状況に追いこまれたこと、日本共産党の追及で陸自先遣隊が調査に行く前から報告書の原案ができていたことが明らかになったことについては、与党議員からも「最悪の状態で参院に回ってきた」との声があることを紹介し、「戦争にも派兵にも大義がなく、国会審議のやり方もウソとごまかしで押し通そうとするのは重大だ。与党側がどうするつもりか野党側に示さない限り参院での審議入りはできない」と表明しました。


政府・与党に責任

 自民、公明両党が単独で自衛隊派兵承認案と〇三年度補正予算案を衆院で強行採決した異常事態をめぐって二日、与野党間の協議が断続的に行われ、国会審議は「空転」しました。

 国会が「空転」する事態になった原因は、一月三十日夕の衆院イラク特別委員会で、政府・与党が国会に承認を求めておきながら、一方的に質疑を打ち切り、派兵承認案を強行採決したからです。同日の特別委理事会では、質疑だけにとどめることを合意、そのうえ野党の資料提出要求についてあとで理事会で協議すると委員長が約束していたのに、です。

 その後、河野洋平衆院議長のよびかけによる与野党国対委員長会談が決裂すると、与党は衆院予算委員会、財務金融委員会、本会議をそれぞれ単独で開き、「イラク復興支援」費を含む補正予算案や関連法案を強行採決したのです。

 この異常事態をどう打開するか。二日午前から参院野党国対委員長が会談し、衆院での異常事態の収拾を図ることがまず重要だの認識で一致しました。

 同日夕には、参院与野党国対委員長会談が開かれました。しかし、与党は当初、事態打開に動きだすどころか、早期審議入りを主張しました。

 これに対し日本共産党の富樫練三参院国対委員長は、「派兵承認案を求めている政府自身が、派兵先にありきで都合の悪いことを隠ぺいし、ウソの報告・答弁をしている。この姿勢を正さなければ、参院での審議でも同じようなことが繰り返される」と主張しました。


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