2004年1月19日(月)「しんぶん赤旗」
日本共産党第二十三回大会最終日の十七日におこなわれた、大会決議案と中央委員会報告についての討論の結語は次のとおりです。
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みなさん、おはようございます。五日間の会議、ごくろうさまでした。
私は、中央委員会を代表して、大会決議案と中央委員会報告についての討論の結語をおこないます。
三日間の討論で、八十一人の代議員、評議員が発言しました。綱領改定案と大会決議案という二つのテーマのどちらについても、大会議案、中央委員会報告にかみあった、充実した、明るい、感動的な討論だったと思います。
発言を希望された同志は全体で二百六十人です。残念ながら発言できなかった同志も用意された発言原稿がありましたら、大会事務局にとどけていただければ、今後の活動に生かしたいと思います。
こんどの大会では、若い世代の生きいきとした姿が、輝いた大会だったと思います。前回の大会も、青年の輝きというものを感じたものでしたが、この三年あまりで、一段とたくましく輝くようになった若い姿があったと思います。
この大会に参加した十八歳から二十九歳の代議員は百十六人、うち十一人が発言しました。さらに昨日、青年代議員の交流会がおこなわれ、私も参加しましたが、そこでは「『必ず発言してきて』ということで送りだされてきたので、どうしても」ということでつぎつぎ手があがり、たった一時間のあいだに二十九人が発言しました。一時間のわずかな時間に、みんなが発言できるようにと自主的に、一人二分程度と、短い時間でみごとに、「日本共産党とともに歩む」という思いのたけが語られまして、その一体感といいますか、連帯感といいますか、表現力といいますか、若い力には本当に目をみはるものがありました。
若い世代の発言を聞いていますと、新しい綱領が、若い世代のなかですでに生きた力を発揮している。このことを強く感じました。
ある青年の代議員は、「共産党に拒否感があるという友人に、平和の党、自主独立の党、日本改革の中身など、日本共産党を語りに語ったら、納得してもらえた。思いつきで語ったのだけれど、よく考えてみると綱領そのものだった」。つまり、綱領のしめす民主的改革の中身が、青年の思いとぴったり一致した、という発言でした。
ある青年の代議員からは、「進路で悩んでいる青年に、かみあわないだろうと思ったが、日本共産党のめざす未来社会の話をした。人間の全面的発達が保障される社会、真に自由で平等な人間関係からなる共同社会の展望を話したら、元気になってくれた」という発言がありました。
いまの若者の成長してきた過程を考えますと、学校では競争主義と序列主義の教育のもとで、心に多くの傷をおっている。そして社会に出たら若者が使い捨てにされる社会のゆがみのなかで、ここでも苦しんでいる。そういう若者たちが、人間の全面的な発達、あるいは自由で平等な社会という話を聞けば、そこに新鮮な魅力がある。それが多くの若者の心をつかみつつあるという話がこもごもだされました。
若い世代の要求や悩みにぴったりとかみあい、それに深くこたえる力を新しい綱領は持っているということが、討論からも浮き彫りになったと思います。
そして私がみなさんにご報告したいのは、昨日の青年の代議員の集会で最後を締めくくった女性の発言は、こういう発言でした。「先輩たちの世代が今の綱領で大きな党をつくった。私たちは新しい綱領でそれを乗り越える大きな党をつくろう」(拍手)。なんともうれしい話ではありませんか。わが党の未来は洋々と開けているということが、討論でも確認されたのではないでしょうか。(拍手)
つぎに全党討論、中央委員会報告、大会での討論をふまえた、大会決議案の補強・修正についての報告をいたします。お手もとに補強・修正案が配布されています。それを見ながら報告を聞いていただきたいと思います。傍線の個所が補強・修正したところであります。
まず大きな補強・修正部分が二つあります。
第一は、第八章の選挙闘争の方針についてであります。この部分は、総選挙のたたかいの教訓をふまえ、半年後の参議院選挙にむけた目標と方針に全面的に書きあらためました。第二十六項は参議院選挙の目標、第二十七項は参議院選挙をたたかう三つの政治方針、第二十八項は五つの活動方針について、中央委員会報告で提案した中心点を決議案に盛り込んでいます。
第二は、第十章の党建設の方針です。この部分は、原案で生かせるものは最大限生かしつつ、表題を「どんな激動のもとでも選挙で勝てる強大な党をどうつくるか」として、参議院選挙での目標達成のためにどういう党をつくるかに焦点をあてたものにしました。第三十二項の冒頭にその趣旨を述べています。第三十二項には党建設を前進させるための「五つの基本方針」を述べていますが、これは一連の大会決定・中央委員会総会決定にもとづくものですが、原案を生かした記述であります。
第三十三項は、補強した部分ですが、参議院選挙にむけた党勢拡大についての方針を述べています。読者拡大と党員拡大の目標と方針について、中央委員会報告で提案した中心点を決議案に盛り込んでおります。
第三十四項は、党の質的強化の方針について述べています。これも参議院選挙にむけてすべての党員が生きいきと活動する党をどうつくるかという観点から、中央委員会報告をふまえて原案を補強しています。新しい綱領と大会決議を全党員のものとする仕事、「支部が主役」の党づくりと選挙戦、機関活動の改善と発展などは、報告をふまえて補強した部分であります。以上、二カ所が、大きな補強・修正をくわえた部分であります。
つぎに決議案のその他のおもな補強・修正について提案します。
まず第二章第七項ですが、異常な対米従属を打ち破るたたかいを述べた章ですが、決議案発表後に具体化された重大な動きとして、イラクへの自衛隊派兵に反対するたたかいについて補強しました。
つぎに第五章第十六項、暮らしをまもるたたかいについての部分ですが、いくつか補強してあります。一つは、社会保障のいわゆる「二段構えの財源論」という問題でありますが、これは総選挙政策で打ち出したわけですが、今後のたたかいの重要な政策的よりどころになるものであって、決議案でも補強しました。また消費税問題について、総選挙で自民党、民主党両党が「政権公約」で増税を打ち出すという重大な進展があったので、それを補強しました。さらに、消費税増税の狙いが、大企業の税負担軽減だけでなく社会保険料の負担の軽減にある――社会保険料の企業負担をなくしてしまうことに、財界の目標があることが、この間の一連の動きをつうじて明りょうに浮かび上がってくるなかで、その点も補強しました。
つぎに第五章第十七項の食料と農業問題についてです。これは総選挙での論戦の経過をふまえて、日本では価格・所得保障予算が、欧米諸国に比べても異常に貧困であること、根本に財界の家族経営つぶしの政策があること、価格・所得保障の抜本的拡充と家族経営の成り立つ農政への転換が焦眉(しょうび)の課題となっていることを補強いたしました。価格・所得保障の拡充ということを、記述の前面に立てて、そのうえで輸入自由化をくいとめるという課題を位置づけるというように再構成しています。
第六章第二十一項の憲法問題についてですが、これも総選挙で自民党・民主党両党が、改憲を「政権公約」にするという重大な進展があったので補強しました。決議案の原案でも、憲法問題を章を立てて重視し、自民・公明・民主と与野党の垣根を越えた改憲論の広がりに警鐘を鳴らし、憲法改悪反対の一点での国民的なたたかいを提起したわけでありますが、これはたいへん先駆的であったと考えるものです。
第七章の社会の道義的危機の克服の対話と運動を呼びかけた章について、いくつか補強しました。まず第二十四項ですが、教育基本法改悪が具体的な政治日程にのぼりつつあるもとで、反対のたたかいの呼びかけを明記しました。
つぎに第二十五項ですが、子どもを守るための社会の自己規律に関連して、幼児虐待・児童虐待の相談件数がこの十年余りで約二十倍に達しておりますが、その増加に対応した児童養護施設など専門機関の整備が著しく遅れており、国際的にも異常な遅れだという意見が寄せられました。これは重要な意見でありまして、改善を求める立場を明記しました。
それから同じ第二十五項でいわゆる子どもの自己肯定感情をどうやってはぐくんでいくのかということについて、原案では「子どもが自由に意見を述べる権利を保障する」ことの重要性を述べているわけでありますが、こういう意見がありました。「子どもは自由に意見を表明できる大人とは違い、意見にならない声もある。そういう声も含めて子どもが発信するさまざまなメッセージを大人がしっかり受けとめ、尊重するという立場を明記すべきだ」という意見であります。これは子どもをめぐる状況をよくとらえた意見であり、「子どもの権利条約」が子どもの意見表明権といっていることの精神もそこにあると考えます。そこで決議案に、「子どもの声に真剣に耳をかたむけ、子どもの思いや意見を尊重し、子どもを一人の人間として大切にする人間関係を、社会の各分野でつくることは、きわめて重要である」との一文を挿入いたしました。
つぎに、第九章の第二十九項、地方政治についての部分であります。
総選挙では、自民党と民主党が「国から地方へ」とのかけ声で地方自治破壊の方策を競い合う状況がありました。「国から地方へ」というと聞こえがいいのですけれども、その実態は福祉や教育などの自治体ほんらいの仕事の切り捨てであり、市町村合併の押し付けなど自治体統制の強化であり、「地方分権」どころか地方自治の破壊そのものであると、本質的な批判を明記しました。
第三十一項、中間地方選挙の重要性を強調した項に、今年の沖縄県議選、来年の東京都議選について、全国的意義を持つたたかいと位置づけてほしいという声が、それぞれ沖縄、東京からありました。これはもっともな意見であります。そういう位置づけを明記しました。
以上が補強・修正したおもな内容です。補強・修正した決議案は、総選挙のたたかいの経験、それをふまえた今後のたたかいの展望がおりこまれるものになりました。ここには、全党のみなさんの汗と悔しさと決意がおりこまれていると思います。私は、大会決議案が、全党討論とともに、全党の実践によって鍛え上げられた方針書となったことを確信するものであります。(拍手)
さて、大会期間中にも、政治情勢をめぐって重大な動きが進行しました。昨日、イラクへの陸上自衛隊の先遣隊の派兵が強行されました。政府は、ついに武装した地上部隊を戦地に送るという許しがたい重大な一歩を踏み出しました。しかし、自衛隊の本隊の派兵は、一月末から二月、三月にかけての動きとなっています。派兵計画の中止をもとめるたたかいは、これからが大事な場面になってきます。この伊豆の山をおりましたら、大会参加者のみなさんが全国でいっせいにたたかいをわき起こす先頭に立とうじゃないかということを、まず呼びかけたいと思います。(拍手)
中央委員会報告では、財界主導の「二大政党制づくり」の動きのなかで、自民党と民主党が、悪政を競い合う状況が生まれていることをきびしく批判しました。この数日間をみても憲法問題でこの報告を裏付ける重大な動きが起こっています。
一月十三日、わが党の党大会と並行して民主党が党大会を開きました。その場で菅代表が、「国民主権の国にするためには、市民革命に代わる幅広い憲法制定運動が必要だ」「二〇〇六年までに新たな憲法のあり方を示したい」と、「創憲」という立場からさらに一歩ふみこんで、「憲法制定運動」なるものの呼びかけを、大会の場でやりました。どこを変えるというのか。いろいろなことを言っています。「国民投票を導入する」とか、「環境権を導入する」とか、さまざま言っていますが、九条をどうするのかと問われて、菅代表は「九条も含めてすべてについて変える可能性を含んだ形で自由に議論する」と述べた。結局、本丸はここにあるということがこのやりとりのなかからも浮かびあがってきます。
ついでにいいますと、菅代表は、「環境権の導入」について、「京都のような千年の歴史を持つ町にまでビルを乱立させ、景観を破壊してきた」といったそうです。しかし、京都で府・市一体の「オール与党」体制の一翼を担って環境を破壊してきたのはいったい誰なのか。京都のみなさんは一番よくご存じだと思います(拍手)。こうした九条改憲へのまさに「外堀」を埋める動きに対して強い警戒と批判が必要であります。
この議論の有害性というのは、すぐに証明されました。翌日、自民党の小泉首相が菅代表の発言に大喜びでとびついて、マスコミの記者会見でこういいました。「野党の民主党が憲法改正にこれだけ積極的になるとは、想像していなかった。かなり憲法改正が現実的課題になってきた。自民党単独で憲法改正するのは好ましくないし、現実的には無理だ。与党と野党第一党が協力できる形が望ましい。両党が協力して憲法改正問題を現実のものにしたい。国会に案を出すのは二年や三年ではできない。少なくとも五年はかかる。(集団的自衛権については)憲法改正を議論する場合、一つの焦点になる」。こういう発言をしたわけです。結局、集団的自衛権を行使するための憲法九条の改悪――これが本命だと公言しました。二〇〇九年ぐらいをめどに国会で発議ができるようまとめようじゃないか。そのために民主党と協議しようじゃないかという呼びかけもしました。
憲法問題をめぐって、この短い期間にも悪い方向への競い合いが、目の前ですすめられています。この競い合いというのは、この悪政で両者が連合する可能性をはらみながらの競い合いです。こうした状況からみても、こんどの参議院選挙はどうしても負けられない選挙です。参議院選挙での目標達成をこういう状況とのかかわりでもしっかりとらえる――本当に憲法九条を守り抜く国会勢力をどれだけ一歩一歩前進させていくのか、そのことに二一世紀の日本の未来がかかっているという意気込みで、かならず目標達成をかちとって、改憲勢力に強烈な痛打をあびせる結果をだそうではありませんか。(拍手)
さて中央委員会報告では、参議院選挙での目標達成をめざす政治方針、活動方針とともに、党勢拡大の方針を提案いたしました。読者拡大で総選挙時比130%、党員拡大で「五〇万の党」という目標にふさわしい拡大をという提案をいたしました。私は報告の最後で、「これは全党の大奮闘と、そして新しい探究を必要とする一大事業ですが、それにかわる安易な道は他にありません。ですから、この課題に全党が腹をくくって挑戦しようではありませんか」と述べました。
実は、この提起は緊急の提起でした。つまり総選挙でのあの結果をうけて、そして参議院選挙は目前だという状況の中で、どうしても必要不可欠だと判断し、大会に、いわばぶっつけ本番で提案したものでありました。しかも、提案の中身はたいへんな提案です。つい私の報告の声も大きくなってしまいました。そうした緊急でたいへんな提案にもかかわらず、大会参加者のみなさんからはほんとうに力強い答えが返ってきました。この問題で多くの同志が発言しましたが、そのすべての発言は「腹をくくって挑戦しよう」という立場からの発言でした。提案したものとして、こんなにうれしいことはありません。まずみなさんが、正面から、真剣に、中央委員会の提案を受け止めてくれたことに、心から感謝をするものです。(拍手)
しかも、私たちが感動をもって発言を聞いたのは、これらの発言の多くが、それぞれの県の代議員のみなさんの侃侃諤諤(かんかんがくがく)の大議論の結論として述べられたということです。多くの発言にあったように、宿舎に戻って緊急の代議員会議や地区委員長会議などさまざまな会議が持たれたとのことでした。おそらくはその背景には、全国の地元の党組織とも電話で連絡をとっての大議論もあったのではないかと推察されます。こうしてこの大会は、この学習会館の講堂での本会議の後も、続編の会議が宿舎で真剣におこなわれるという異例の大会となりましたけれども、これは本当に貴重なことだと思います。
正面から侃侃諤諤の討論をやってみると、さまざまな本音の議論も出されたということが報告されました。「毎月の前進でもたいへんなのに」、「決して手を抜いているわけではないのに」、「本当にやり抜けるか自信がない」などの意見が出された。これは出されて当然の意見だと思います。そういう意見が全然でなくて、「よし賛成」ということになったら、逆におかしなことです。これまでも機関紙活動の前進のために、全党のみなさんはたいへんなエネルギーをそそぎ、みんなたいへんな苦労をしながら、この活動を支えてきたわけです。その悩みの中から出る真剣な意見だと思います。ですから発言でも、「思わず中央委員会報告に拍手をしてしまったけれど、よくよく考えてみれば、やれるかと思い逡巡(しゅんじゅん)した」という話もありました。「報告を受けてあれこれ考え、寝られずに、寝不足になってしまった」という話もありました。みなさんがそれくらい真剣に受け止め議論した。しかし、本音をぶつけ合って議論をすれば、議論の結果として出てきたのは、多くの同志たちの発言が共通して述べていたように、「選挙で勝つために必要ならば、たいへんでも挑戦しよう」――これが結論としてどこでも出されたということでした。
日本共産党員なら誰でも、参議院選挙には「今度こそ勝ちたい」と思ってない人はいないと思います。しかもこの情勢ですから、「日本共産党が伸びなくてどうするか」と、日本共産党員だったら誰しも思っていると思います。この共通の熱い思いに立って、本音をぶつけた議論をやれば、そして勝つためには党勢拡大が必要だという共通の認識が得られれば、必ず「たいへんでも挑戦しよう」という結論が得られると思います。
今度の大運動というのは、こうした本音をぶつけ合った議論をどんどんおこなうことが出発点になると思います。この大会はそのすばらしい出発点になったと思います。大会参加者のみなさんが、中央委員会の提起を真剣に正面から受け止めてくれ、新しい前進に向けたプロセスがいま始まったのだと思います。
私が訴えたいのは、大会で始まった党勢拡大のための真剣な討論、この熱い熱気を、大会参加者のみなさんが全国にもちかえり、大会参加者のみなさんが先頭に立って全党で前進のための大議論をわきおこそうじゃないか――このことを私は呼びかけたいと思うのであります。(拍手)
それから、この問題にかかわっての討論の重要な成果が、もう一つあると思います。「選挙で勝つために必要ならば、たいへんでも挑戦しよう」――こういう立場に立ちますと、知恵も力も出てくるということです。そして、この立場に立って党活動をみますと、どの都道府県、地区委員会にもすばらしい“宝”があるということであります。そのことが、討論で豊かに語られたことも、たいへん感動的でした。
たとえば、党勢拡大で前進をきずいている経験は、どれも、例外なく国民の要求をとらえた活動にとりくみ、そこで得た信頼と結びつけて、党勢拡大を前進させているのが、特徴でした。
多くの同志が、生活相談活動について語りました。地域要求実現の活動にこつこつと粘り強くとりくんでいる報告も出されました。自家用車を宣伝カーにして、早朝宣伝をずっと続けている奮闘も報告されました。まさにそういう奮闘の中で、地域住民のよりどころとしての信頼を集めている経験が多く語られました。
職場でも、自動車や鉄鋼の大経営での英雄的なたたかいとともに、中小企業のリストラ計画に反対しながら、同時に、中小企業にかけられた補助金削減の攻撃を会社と一体にはねのける――きわめて高度なたたかいを職場を基礎にとりくんで、大きな党をつくっているという経験も出されました。
国民要求にこたえた活動と、党建設を一体にとりくむ――すばらしい法則的な前進の教訓がたくさん語られたと思います。
いま一つ、新しい綱領がすでに生きて力を発揮しつつあるということも、今度の討論の特徴でした。青年の中で新しい綱領の力が発揮されていることは冒頭でも触れましたが、これはあまねくどこでも通用する力であります。地方議員の代議員からは、「新しい綱領の冊子が七百部届いた時に、後援会ニュースと一緒に、七百部の綱領改定案を配って、新しい綱領の内容でどんどん対話したら、どこでもわかってもらえた」という大胆な活動にとりくんでいる報告もありました。この大会で決定される新しい綱領を、文字どおり全党員の血と肉にして、国民と語りあえば、どんなに大きな展望が開けてくるか、それを生きいきとしめした討論だったと思います。
さらに一ついいますと、多くの発言のなかで、これをやっていくうえで、何といってもやりきる最大のかぎは、どれだけの党員がこの活動に参加するかにかかっている。このことが、こもごも強調されたことも、特徴でした。ある同志が発言の中で、「読者拡大への党員の参加の状況は、多い月でも10%程度だ。ごく少数の党員が担う活動から、多数の党員が担う活動にどうしたらできるか、ここに最大のかぎがあると、議論した」と述べましたが、みんなで担えば荷物は軽くなるというのは、これは不滅の真理であります。
「たいへんでも挑戦しよう」――この立場に立ってこそ、知恵も力もわきますし、そしてこの立場で見れば、現に法則的な活動で党勢拡大を前進させている“宝”の経験は全国どこにも存在している。
この“宝”をどんどん広げて、全党のものにすれば、目標達成への道は、なかなかたいへんだけど見えてくる。これが討論でやられた大事な収穫だったと、私は思います。
党勢拡大の大きな上げ潮をつくりだしながら、選挙での諸課題をやりきって、どんなことがあっても参議院選挙で立派な成果をあげようじゃありませんか。そのために、この大会で始まった大議論を、全党に広げようじゃありませんか。納得のいったところから、どんどん実践に足を踏み出そうではありませんか。その実践を通じて、こうやればできるという教訓をくみ出そうじゃありませんか。そして、さらに大議論の輪を広げていく。大議論をやり、実践をやり、教訓をひきだし、さらに大議論の輪を広げて、文字どおりの全党運動につくりあげようではありませんか。
この運動というのは、最初から設計図が詳細に決まっているものではありません。もちろん過去の経験で今日に生かせるものはすべて生かす必要があります。さらに全党の議論と実践によって、今日にふさわしい党勢拡大運動、それを中心課題にすえた今日にふさわしい選挙闘争を、創造的にあみだしていくということが必要であります。
新しい綱領を決める歴史的大会を契機として、党勢拡大と選挙闘争でも、新しい発展を生みだしていく。そういう開拓者の気概をもって、この運動にのぞもうじゃないかということを、みなさんに心から呼びかけたいと思うのであります。(拍手)
最後に一つだけ提案をいたします。大会が呼びかけた参議院選挙にむけた大運動に、全党がとりくみ、実践をとおして、教訓が全国各地でつくられたところで、全国交流集会をもちたいと考えますが、いかがでしょうか。(拍手)
さまざまなかたちで中央と地方が、学びあいを強めながら、この大事業をやりきり、参議院選挙ではすばらしい結果を、必ずみんなの力でかちとろうではありませんか(拍手)。ともに奮闘する決意をこめて結語といたします。(拍手)