しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2024年11月15日(金)

主張

政治とカネ

内輪か国民かどちら向くのか

 総選挙での自公過半数割れの結果を受け、政治は民意に沿った方向に変わることができるのか―。その大きな試金石の一つが総選挙で国民の強い怒りが向けられた裏金問題です。その実態解明と防止策に向け、各党がどんな態度をとるかに注目が集まっています。

■実態解明が不可欠

 総選挙では、石破茂首相が自民党の「内輪の論理」を優先したことに審判が下されました。

 石破首相は当初、裏金議員を全員公認しようとしました。国民の批判から方針を転換し、一部議員を非公認としましたが、その非公認候補にも公示直後、政党助成金から2000万円を支給していたことを本紙がスクープ。自民党が非公認候補に“裏公認”を与えていたとして、国民の怒りをかいました。

 この総選挙の結果を真摯(しんし)に受け止めるのであれば、自民党が率先して裏金問題の実態解明と防止策に乗り出すことが必要です。

 ところが、石破首相は「各々(おのおの)が説明責任を果たすため、政倫審(政治倫理審査会)の場を含め、あらゆる場を積極的に活用するように促す」(11日の記者会見)というだけで、組織的な裏金づくりの実態を明らかにするそぶりはまったく見せません。

 裏金づくりをめぐっては、石破派にも政治資金収支報告書の不記載があったことが本紙日曜版のスクープで明らかになっています。説明責任を果たさなければいけないのは石破首相も同じです。

 裏金づくりがいつ、だれによって始められ、何に使われたのか―。裏金問題の実態解明は国会に課せられた責務です。ウソをつけば罪に問われる証人喚問の実施も含め、徹底して真相を明らかにする必要があります。

■二重取りを正当化

 石破首相は「企業・団体献金も国民からの浄財の一種」(同)などと開き直り、政治腐敗の温床である企業・団体献金の禁止にも一切、手を付けようとしません。

 企業・団体献金は本質的にわいろです。自民党は財界から巨額の献金を受け経済・財政をゆがめてきました。1990年代の「政治改革」では、企業・団体献金をなくす代わりに政党助成金を導入するとされました。企業・団体献金の禁止は棚上げされ続けていますが、ただちに実行すべきです。

 石破首相は「(企業・団体献金の禁止で)政党助成金のウエート(比重)があがることによって政党が国家に依存する」(同)などと言って企業・団体献金と政党助成金の“二重取り”まで正当化しています。石破首相に欠落しているのは、政党は草の根の国民に支えられるという発想そのものです。

 日本共産党は、カネの力で政治をゆがめる企業・団体献金も、政党の堕落につながる政党助成金も受け取っていません。党員が納める党費や「赤旗」の購読料、個人からの寄付など、党員や支持者、国民から寄せられた浄財で活動資金をまかなっています。

 党内だけで通用する狭い「内輪の論理」ではなく、真摯に国民の声に向き合うことが、すべての政党に求められています。


pageup