日本共産党

2003年11月7日(金)「しんぶん赤旗」

自民党・民主党の国防族

「日米安全保障戦略会議」

総選挙直後 国会施設(憲政記念館)で


 自民党・民主党の国防族や巨大軍需企業が中心となった団体、「日米安全保障戦略会議」が総選挙後の二十日から二十五日まで、東京の憲政記念館で会合を開きます。この会合には、米国からはコーエン元国防長官や軍事戦略シンクタンクのヘリテージ財団の上級研究員らが参加。日本側は、有事立法を推進した安全保障議員協議会が母体となります。同メンバーは、自民、民主、公明、保守新の各党有力国防族議員で構成(別表)、日本のこれからの日米防衛戦略や新たな軍備拡大について相談し合う場となります。

ボーイング社や三菱重工など後援

 この「戦略会議」を後援しているのは、アメリカ側が、ボーイング、ロッキード、グラマンなどの巨大軍需産業。いずれも日本に多額の兵器を売りこんできた兵器産業です。日本側は、昨年度の防衛庁の受注第一位の三菱重工、第二位の川崎重工、第三位の三菱電機、第四位の日本電気、第五位の石川島播磨重工業、第六位の東芝など、名だたる軍需産業です。(別表)

 自民、民主の国防族議員が、これらの軍需産業の後援をうけ、「ミサイル防衛」など、新しい軍拡の方向を相談するというのが、今回の「戦略会議」の目的です。

 ミサイル防衛は、総額六兆円に達するという試算もあります。新たな軍拡は、軍需企業にとって新たな利益をえる千載一遇の機会。自民党と民主党はともに今度の選挙の政権公約に憲法の改悪を盛り込んでいます。今度の「戦略会議」は憲法の改悪の先に、巨額の軍拡と日米軍需産業の共同利益の確保が目標とされていることを示しています。

 しかも、この「戦略会議」は、衆議院が管理する「憲政記念館」でおこなわれ、そのなかで「ミサイル防衛」装備品の展示までおこなう計画です。展示されるのは、「ミサイル防衛」関連の装備品です。イージス艦搭載のミサイル発射システム、陸上配備型のTHAAD(戦域高高度地域防衛)、パトリオット・PAC3などの実物大モデルで、世界最大の軍需企業・ロッキード・マーティン社などがキャンペーンを行うというものです。

 憲政記念館の目的は「我が国の議会制民主主義の発展に資する」ためとされており、いわば、憲法を守ることを建前とした会館です。

 そこで、ミサイル兵器などの実物大モデルの展示までして、軍備拡大のキャンペーンをやろうというのですから、とんでもない話です。

日米安全保障戦略会議とは

 日米安全保障戦略会議について、同事務局は「政官財が一体となり、日米同盟や安全保障政策などを協議する場。日米財界人会議の安全保障版」と説明します。同会議は昨年結成され、今年四月にワシントンのヘリテージ財団で第一回会合が開かれました。東京で開かれる会合が第二回となります。

 構成メンバーは与党三党と民主党の国防族議員の団体・安全保障議員協議会と、日米の主要軍需企業、ウィリアム・コーエン元米国防長官など米政府の元高官、共和・民主両党の国防族議員、右派シンクタンク、ヘリテージ財団などがふくまれます。

 同会議の目的は何か。設立構想は二〇〇一年秋の自衛隊のインド洋海域派兵以後に浮上しました。〇二年二月の設立準備委員会の「極秘」文書によると、目的は「日米間における安全保障上の問題点(政策・軍事技術)を多角的に検証」し、「成果を具体的に実践するために必要な環境を醸成・整備する」。そのうえで協議・研究の課題は「二十一世紀における日米安全保障体制についての検証」「アジア太平洋における日米同盟の役割と日米間の戦略機能の分担」「日米両国の国防産業基盤充実と防衛技術協力のあり方(技術移転と兵器購入を含む)」などをあげています。

安全保障議員協議会メンバー(暫定)

名誉顧問 綿貫 民輔 (自民)

会  長 瓦   力 (自民)

副 会 長 久間 章生 (自民)

事務総長 額賀福志郎 (自民)

常任理事 斉藤斗志二 (自民)

     前原 誠司 (民主)

     赤松 正雄 (公明)

理  事 石破  茂 (自民)

     赤城 徳彦 (自民)

     米田 建三 (自民)

     浜田 靖一 (自民)

     東  祥三 (民主)

     末松 義規 (民主)

     西村 真悟 (民主)

     藤島 正之 (民主)

     井上 喜一(保守新)

 安全保障議員協議会 自民、公明、保守新の与党三党と民主党の国防族議員の団体・安全保障議員協議会は一九九九年に結成され、現在、会長は瓦力・元防衛庁長官、名誉顧問を綿貫民輔・前衆院議長がつとめています。自民党からは久間章生・元防衛庁長官が副会長、額賀福志郎政調会長が事務総長をつとめ、民主党からは前原誠司・「明日の内閣」安全保障大臣が常任理事をつとめ、ほかに四人が役員をつとめています。

安保戦略会議に協力・後援している日米主要軍需企業・団体


ロッキード・マーティン(1)

ボーイング(2)

レイセオン(4)

ノースロップ・グラマン(5)

ゼネラルダイナミック(6)

三菱重工業(1)((14))

川崎重工業(2)

三菱電機(3)

日本電気(4)

石川島播磨重工業(5)

東芝(6)

小松製作所(8)

富士通(15)

ダイキン工業(16)

沖電気(20)

日本経団連

日本防衛装備工業会

※〇数字は2001年契約高世界順位(ストックホルム国際平和研究所の集計から)

白ヌキ数字は、02年度国内契約実績順位


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp