2003年11月3日(月)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の志位和夫委員長は、二日放映されたフジテレビ系「報道2001」とNHK「日曜討論」にあいついで出演し、総選挙の争点をめぐって各党党首と討論しました。二つの討論会を通じて、憲法改悪でも消費税増税でも自民と民主が同じ流れであることが浮き彫りになりました。
「報道2001」では、憲法問題が討論となり、自民党の小泉純一郎首相が「自衛隊は国軍であると誤解のないように(憲法の)表現をあらためた方がいい」とのべ、憲法九条改悪を主張。民主党の菅直人代表も「創憲とは新しい憲法をつくるということか」と問われ、「もちろん」と回答するなど改憲の立場を鮮明にしました。
これにたいし、志位氏は「戦後ずっと“自衛隊は軍隊ではない、戦力ではない”といってきた自民党の総裁が事実上の軍隊だと認めたのは、一種の(自民党政治の)破たんだ」と指摘。「矛盾の解決の道は二つだ」とのべ、「自衛隊の現実にあわせて憲法を変えるのでなく、憲法にあわせて自衛隊の現実を変え、段階的に国民の合意で憲法にあわせていくべきだ」とのべました。
また、「日曜討論」では、消費税増税をめぐって、「いずれは消費税を引き上げざるを得ないと考えているのか」との質問に、小泉首相が「将来はね」と増税を認め、菅氏も、「(基礎年金への国庫負担を)二分の一にするとき消費税でいうと、2%強の増になるだろう」と消費税増税を明確にしました。そして、志位氏は「ムダにメスをいれないと消費税増税の道になる」と批判しました。
志位氏は、「憲法問題の議論をみても、自民・民主両党とも改憲論では同じ流れになる。消費税増税でも自民党が増税の方向を打ち出すと、ほんとうだったらストップをかける立場の野党の第一党から増税の方向が出てくる」とのべ、「今度の選挙では政界地図が変わってきている」と指摘。「『政権選択』といいながら、これだけの大問題が『対決点』にならないのは日本の政治の大問題だ。この流れをくいとめることが重要だ」と批判しました。
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