2003年10月30日(木)「しんぶん赤旗」
日本共産党の志位和夫委員長は二十九日午後、総選挙遊説で訪れた京都市内で記者会見し、総選挙の全体的特徴について、次のようにのべました。
一、今回の選挙では、日本の政治地図に変化がおこっている。
この選挙は、日本経団連など財界と自民党が、消費税増税と、憲法改悪という方向を公然とうちだしたもとで、これへの審判が問われる重大なたたかいになった。
ところが、「政権選択選挙」といわれながら、これが自民党と民主党の争点にならない。民主党も、増税と改憲では、同じ側にたってしまっているからだ。
これまでの日本の政治では、自民・公明連合が悪い政治のごりおしをするのにたいして、野党は、それぞれの立場の違いはあっても、悪政を食い止めるための国会での共闘もおこなってきた。ところが、いまでは消費税と憲法という日本の進路を分ける問題で、民主党は自民党と同じ流れに合流してしまった。ここには日本の政治地図の大きな変化がある。
一、なぜ変化がおこったのか。発端は財界がたてた政界再編の提言にある。
昨年十月二十二日、経済同友会は、「首相のリーダーシップの確立と政策本位の政治の実現を求めて」という提言を発表している。
そこでは「政治改革」として、(1)「各政党は政権政策(マニフェスト)を示して総選挙を戦う」と明記している。すなわち総選挙を、政権党と野党第一党のたたかいにしてしまうということだ。(2)「真の政権交代を可能にする『単純小選挙区制』を導入する」とものべている。小選挙区・比例代表並立制を導入したが、まだ政党の数が多すぎる。比例をなくして、単純小選挙区制にし、中小の政党を締め出すということだ。
この動きのなかで、民主党が「マニフェスト」といいだし、「比例削減」をいいだした。一昨日の党首討論で、自民党の小泉総裁が、あらためてこれに賛成したこともきわめて重大だ。
日本の政界を、財界の意のままに動く保守の「二大政党」にしてしまい、かわるがわる政権をになわせて、消費税大増税、憲法改悪などを、思いのままにおしつける。そのために政党を「評価」して、自分の意に沿う政党に企業献金のヒモをつける。これが財界戦略だ。この戦略のもとで、政界地図に変化がおこった。
一、この総選挙は、財界のこの野望を許さないという点でも、重要な意義をもつたたかいとなった。ことは消費税と憲法という、国民の暮らしと平和を左右する大問題がかかっている。財界の横暴を許さないというきっぱりとした足場をもっている日本共産党がのびることは、この点でもきわめて大きな意義をもつことになる。おおいに力をつくし、前進・躍進をはたしたい。
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