2003年10月18日(土)「しんぶん赤旗」
北朝鮮問題を利用した反共謀略本の出版社や著者を日本共産党が名誉棄損や著作権法違反で提訴した訴訟の第四回口頭弁論が十七日、東京地裁民事第四十七部(高部眞規子裁判長)で開かれ、日本共産党は拉致問題や北朝鮮帰国事業問題についての謀略本のうそにたいし全面反論する準備書面を提出しました。
裁判の被告は、未来書房と著者「稲山三夫」こと創価学会員、柳原滋雄氏ら、本の車内中づり広告を掲示したJR東日本。
被告側は準備書面で、日本共産党があたかも日本人拉致問題の解明を妨害し、北朝鮮帰国事業でも日本共産党が「犯罪的役割」をはたした──などと主張しています。
これにたいし、日本共産党の準備書面は、北朝鮮帰国事業が、居住地選択の自由にもとづく人道的事業であり、超党派の支持のもとで政府が協力する事業としておこなわれたことを各団体の当時の発言も紹介して明らかにしました。このなかで、創価学会機関紙「聖教新聞」(一九五六年三月六日付)も、白木義一郎・関西総支部長(当時、参議院議員)が質問に答え、「心配しないでしっかり信心して北鮮支部長ぐらいになりなさい、といってあげて下さい」との「解答」を掲載していることなども指摘。「全政治勢力が支持した超党派の事業について、特定の党だけをとり出して誹謗中傷すること自体が…意図的な攻撃」と厳しく批判しています。
また、準備書面は、日本共産党の橋本敦参議院議員(当時)や、不破哲三委員長(当時)の国会質問など、拉致問題でも日本共産党が先駆的に解明をすすめ、解決の道筋を示してきたことを明らかにしています。