2003年10月1日(水)「しんぶん赤旗」
フジテレビが番組「完全再現!北朝鮮拉致“25年目の真実”」(九月十二日放送)で、日本共産党にかんする虚偽の放送をおこないその名誉を棄損した問題で、日本共産党は三十日、フジテレビにたいし訂正放送、謝罪放送と損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしました。日本共産党の市田忠義書記局長、柳沢明夫法規対策部長が同日、国会で記者会見して発表しました。
問題の番組は、元日本共産党国会議員秘書の兵本達吉氏が、あたかも拉致問題についての行動を理由に日本共産党から除名され、日本共産党が拉致問題の解明を妨害する政党であると誤解させる虚偽の事実を放送したもの。
兵本氏は警備公安警察関係者と会食して就職あっせんを依頼し、そのことについての反省もなかったために規律違反で除名されたのが真実ですが、フジテレビは、日本共産党に取材も問い合わせもいっさいおこなわないまま放送しました。
日本共産党は十八日、フジテレビにたいし、放送法で「報道は事実をまげない」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにする」(第三条の二)などと定められていることを指摘し、同法第四条にもとづく訂正放送をおこなうよう申し入れました。しかし、同テレビ側は広報局長名の「回答書」(二十五日付)で、「事実に反する事項を放送したこともなく、貴党の名誉を棄損したこともございません」としただけで、放送法で義務付けられた「真実でないかどうか」の調査内容さえ示しませんでした。
市田氏は記者会見で「放送事業者が責任を負うべきものなのに、広報局長の名前で、しかも事実調査したのかも明らかにしていない」と厳しく批判しました。