2003年9月7日(日)「しんぶん赤旗」
【ワシントン5日遠藤誠二】パウエル米国務長官は五日、北朝鮮の核開発問題に関して、北朝鮮政府が求めている安全の保証問題で何らかの譲歩を検討している考えを示しました。五日、国務省での記者会見でのべたもの。
パウエル国務長官は、「北朝鮮がこれまで言明したのは、米国が攻撃もしくは侵略をしないという安全の保証をもとめていることだけだ」「このことについてわれわれは、どのようなことができるか熟考している」と発言。北朝鮮側が、検証可能な核開発放棄にむけて何らかの意思をみせれば見返りを検討すると表明しました。
国務省高官は前日の記者会見でも、「始まったばかりの」北朝鮮との多国間交渉は、「段階的に進められるべきである」「われわれは、非核化にむけた行動の順序に対応して交渉をおこなう意思がある」とのべ、核開発放棄が完了する前の段階でも不可侵の確約を含めた譲歩をおこなう可能性を示唆していました。
先月末に北京でおこなわれた北朝鮮核問題の六カ国協議を前に、米国は「不可侵条約」の締結を含め、何の見返りも提示しないことなど、強硬姿勢を表明していました。米マスコミは、国務省指導部のこうした発言をとらえ、米ブッシュ政権が柔軟姿勢に転化したと伝えています。