2003年7月16日(水)「しんぶん赤旗」
中国政府特使として十二日から北朝鮮を訪問していた戴秉国・外務次官は十四日に金正日・朝鮮労働党総書記と会談し、十五日帰国しました。
中国外務省の孔泉報道官は十五日の定例記者会見で、戴次官は訪朝で「北朝鮮の核問題について突っ込んだ意見交換をおこなった」と言明。訪問は「有意義なものだった」と評価し、「中朝双方とも真剣に準備してきており、一定の共通認識を有している」と語りました。
同報道官は、中国側が「すべての関係国が平和解決の道を堅持し、朝鮮半島の平和と安定を維持し、北京協議を再開することを希望する」とのメッセージを伝えたことを明らかにしました。
北朝鮮の朝鮮中央放送は十五日、金正日総書記が戴次官と「温かく親善的な雰囲気」で会談したと報道。戴次官は姜錫柱・北朝鮮第一外務次官との会談で、「朝米間の核問題と相互関心事である国際問題について突っ込んだ意見を交換した」と伝えました。
中国側の発表によると、戴次官は金総書記との会談で、胡錦濤・中国国家主席の親書を伝えたほか、金永南・最高人民会議常任委員長、白南淳・外相と会談しました。
中国は今月に入り、王毅・外務次官を米国に、戴次官をロシアにそれぞれ派遣し、北朝鮮の核開発問題を平和的に解決するための協議の方法、議題などについて調整を続けています。
中国の英字紙チャイナ・デーリーは十二日の論評記事で、中国が仲介した北京での米朝中三カ国協議(四月二十三−二十五日)を「正しい方向への積極的な一歩」だと評価、「外交を通じた平和的な解決が最善の選択だ」として、「核問題が長引けば、地域の安定は危機にさらされる」と警戒感を示しています。