2003年6月19日(木)「しんぶん赤旗」
【プノンペン18日北原俊文】十八日カンボジアのプノンペンで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)第十回閣僚会議は、北朝鮮の核兵器開発問題で朝鮮半島の非核化と問題の平和解決、また野党指導者の拘束が続くミャンマー情勢では、アウン・サン・スー・チー国民民主連盟書記長らの早期解放を求めた議長声明を発表し、閉幕しました。
発表された議長声明は、「朝鮮半島の非核化を支持する」と述べ、北朝鮮には「国際原子力機関(IAEA)との協力に復帰し、不拡散条約(NPT)から撤退するとの決定を撤回する」よう求めました。
議長声明はまた、四月に北京で行われた米朝中の三者協議の進展を歓迎。「地域の恒久平和と安全保障のために、北朝鮮での核問題の平和的解決を求める」と指摘しました。
日本が各国に理解と協力を求めた日本人拉致問題では、「未解決の安全保障上、人道上の問題が対話の強化を通じて処理されるべきだと考える」と間接的な表現ながら初めて言及しました。議長国カンボジアのホー・ナムホン外相は、会議終了後の記者会見で記者の質問に答え、声明にある「人道上の問題とは拉致問題のことだ」と説明しました。
ARFには北朝鮮も参加しており、白南淳外相に代わって、許鐘・外務省無任所大使が代理出席しました。
ミャンマー情勢では、同国政府に対し、「民主主義への平和的移行をもたらす国民和解と関係各者の対話の努力」の再開を要求し、「とられた措置が一時的なものであり、アウン・サン・スー・チーと国民民主連盟のメンバーの拘束の早期解除を期待するとのミャンマーの保証を歓迎する」と解放を求めました。