2003年5月1日(木)「しんぶん赤旗」
北朝鮮外務省スポークスマンは三十日、談話を発表し、「米国の対朝鮮圧殺政策を物理的に抑制する」として「必要な抑止力を持つことを決心し、行動に移さざるを得なくなった」と強調、核兵器保有を示唆しました。
これに先立ち二十七日から平壌で開かれていた韓国と北朝鮮の第十回南北閣僚級会談は三十日未明、北朝鮮の核開発問題を「対話を通じて平和的に解決するために引き続き協力する」とする合意文を発表し終了しました。
韓国の盧武鉉大統領は二十九日夜、ブッシュ米大統領と電話会談し、北京での米朝中三国協議について意見を交換。北朝鮮が核・ミサイル放棄のために提示した提案を米韓が「綿密に検討し対処」し、「平和的な解決のために共同戦略と具体的な方法を協議する」ことで合意しました。
こうしたなか、北朝鮮が「抑止力を持つ」と公言したことは、北東アジア地域の平和と安定を損ない、北朝鮮のいっそうの孤立化をもたらしかねないものです。
南北閣僚級会談の韓国代表団は帰国後の記者会見で、北京での米朝中三国協議の直後に開かれた南北会談が、核問題解決のために「引き続き協力する」ことに合意した点は今後に向けた成果だと強調しました。
次回の会談は、七月九日から十二日までソウルで開催の予定です。