日本共産党

2003年2月22日(土)「しんぶん赤旗」

反共謀略本 つり広告費(首都圏)2200万円

どこから資金

電話も事務所もない出版社が…


 北朝鮮問題を利用して日本共産党を根拠なく中傷している反共謀略本(本紙十九日付で報道)の広告費用に、首都圏の電車内つり広告だけで約二千二百万円も使われたことが本紙の調べでわかりました。この本は内容が公明党機関紙とうりふたつで、書店で創価学会・公明党がまとめ買いしているもの。公団賃貸住宅の一室に「本店」を置き、専用電話も事務所もないような出版社がどこから多額の資金をねん出しているのか重大な疑問が浮かんでいます。


公明まとめ買い

写真
未来書房が入っている公団の部屋の玄関=立川市の公団幸町団地

 この本は『拉致被害者と日本人妻を返せ 北朝鮮問題と日本共産党の罪』(「未来書房」刊)。「しんぶん赤旗」から大量の無断転載をし、著作権上も問題となっています。

 今月八日から、JR東日本の山手、京浜東北、埼京、中央など首都圏の各線の車内につり広告で大宣伝されました。JR東日本の交通広告を扱うJR東日本企画によると、広告掲示は今月二十四日までの十七日間で、費用は総額約千六百万円にものぼります。

 謀略本のつり広告は営団地下鉄、京浜急行でも行われています。営団地下鉄は計六日間で、費用は約四百八十万円。京浜急行でも計六日間掲示され、広告代理店の料金表によると約百四十万円。

 これらの総計で約二千二百万円ですが、このほか新聞にも出版広告が出されており、広告費はさらに多額です。

 本は一冊の小売価格が千三百円。一万冊売っても販売額が千三百万円にしかならない本に、二千万円以上の広告費用を投じるとは「きわめて異常」(出版関係者)。広告自体が目的といえます。

 未来書房は、登記上の本店所在地が代表取締役、海野安雄氏の自宅。自宅は立川市の公団賃貸住宅の一室です。つり広告に記載された所在地も電話も事務代行会社のものという奇怪な会社です。

 未来書房が国際標準図書番号(ISBN)に登録したのは昨年十一月。謀略本の出版までほとんど休眠状態にあり、多額の広告資金をどうねん出したのか、背後関係が注目されます。

 謀略本は、「ベストセラー」などと宣伝していますが、組織買いが目立ち、関東のある書店で昨年十二月、二百部が創価学会の依頼で公明党に届けられています。


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