2018年1月30日(火)
条件付き「高等教育無償化」 「大学自治への介入」
いかがなものか 国大協・山極寿一会長が批判
国立大学協会の山極寿一会長(京都大学長)は26日の総会で、安倍政権が昨年12月に閣議決定した「政策パッケージ」で示した高等教育無償化をめぐる条件を「大学の自治への介入だ」と厳しく批判しました。
安倍政権の「政策パッケージ」は、無償化の対象になる大学について、理事の2割以上を産業界などから任命することや、実務経験のある教員を必須単位の1割以上に配置することなどが盛り込まれています。子どもたちにとっては、進学した大学が要件を満たしていなければ授業料は無償化されません。
高校や大学の関係者らから、子どもたちの進学を“人質”にして財界による大学支配を強めるものだとの批判の声が上がっています。
山極会長は総会後の記者会見で、安倍政権が決定した高等教育無償化をめぐる方針に関し、「大学に条件を付けるのはおかしい」と主張。個人の意見としながら、「困窮状態にある学生の進学の希望をかなえるのが重要なら、学生が行きたい大学に条件を付けるのはいかがなものか」と述べました。