2018年1月25日(木)
米副大統領エルサレム訪問に抗議
パレスチナでゼネスト
EU、2国家解決訴え
【カイロ=小玉純一】パレスチナの人々は23日、トランプ政権がエルサレムをイスラエルの首都と認めたことを受けたペンス米副大統領のエルサレム訪問に対して、ゼネラル・ストライキを実施しました。抗議行動も前日に続いて行われました。パレスチナ通信が報じています。
これによると、エルサレム旧市街やヨルダン川西岸地区のラマラをはじめ各都市で、病院を除いて行政、商店、会社、交通機関が業務や営業を停止しました。
ヘブロンなどの都市でも若者らが街頭に繰り出したのに対して、イスラエル軍が催涙ガスを撃ち込んで弾圧。ベツレヘムでは未成年者2人を拘束しました。
ペンス氏は同日、エルサレム旧市街のユダヤ教の聖地「嘆きの壁」で祈りをささげ、イスラエルに肩入れする姿勢を世界に示しました。
ペンス氏は前日、米大使館をテルアビブからエルサレムに19年末までに移転することをイスラエル国会で演説しました。
これについて、パレスチナ解放機構(PLO)のエレカト事務局長は「メッセージは明らかだ。『国際法と国連決議を破りなさい、そうすれば米国があなたがたに報償を与えるだろう』ということだ」と批判しました。
パレスチナのアッバス議長は23日、ベルギーの首都ブリュッセルで同国のミシェル首相と会談し、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への拠出金を向こう3年間に年200万ドル(約2億2千万円)増やすと発表したことに謝意を表明しました。ベルギーの拠出金増額は、米国がその額を大幅に減らしたことを受けた措置です。
ロイター通信によると、欧州連合(EU)のモゲリーニ外相は22日、ブリュッセルでアッバス議長と会談し、「エルサレムを2国家(パレスチナとイスラエル)の共有する首都として、(両者が併存する)2国家解決にEUが取り組むことをアッバス議長に再び保証したい」と述べ、トランプ政権との違いを改めて明確にしました。