2017年12月24日(日)
北朝鮮に追加制裁決議
国連安保理 「平和的解決」も確認
【ワシントン=池田晋】国連安全保障理事会は22日、北朝鮮による11月の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受けて、新たな制裁決議2397を全会一致で採択しました。北朝鮮への石油精製品の輸出を9割近く削減し、外貨獲得源である海外出稼ぎ労働者の2年以内の送還などを追加。「平和的、外交的、政治的解決」に引き続き尽力することも確認しました。
決議は北朝鮮へのガソリンや灯油などの石油精製品供給について、生計目的に限った上で年間上限を50万バレルに設定。米国のヘイリー国連大使は、供給量が89%削減できると述べました。
現状維持となっていた原油供給量については、1年後から年間上限を400万バレルと数値を明確化しました。
北朝鮮が再び核実験かICBM級のミサイルを発射した場合は、石油供給の制限を強化することも決定しました。
海上輸送の監視強化では、各国に自国の領海・港湾内で禁輸品を運搬している疑いのある船舶の押収や検査を求めています。
北朝鮮に対しては、農産物、食品、機械、土石類などの輸出を新たに禁止。過去の決議で既に約9割の輸出が禁じられていましたが、今回の決議でほぼ全品目の輸出が禁止されました。
討論で各国は対話と緊張緩和の必要性を強調しました。中国は「朝鮮半島問題の解決に軍事的選択肢はない」と指摘。安保理決議の完全履行が必要だとする一方、「いかなる一方的制裁も安保理の結束を乱す」と述べ、米国が求める独自制裁に同調しない姿勢を示しました。