2017年12月23日(土)
エルサレム「首都」撤回 国連決議
総会128カ国賛成 米の孤立鮮明
【ワシントン=池田晋】国連総会は21日、トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都として認定した問題で緊急特別総会を開き、エルサレムの地位を変更する決定は無効で、撤回されるべきとする決議案を国連加盟国のほぼ3分の2にあたる128カ国の圧倒的な賛成多数で採択しました。
反対9、棄権35の結果となり、21カ国は投票に参加しませんでした。緊急特別総会の開催は、2009年以来となります。
トランプ氏は20日、決議案に賛成した国への経済支援を削減すると示唆して脅していましたが、アラブ諸国や日本・欧州を含む米国の同盟国も軒並み賛成に回り、米国の国際社会からの孤立がいっそう鮮明になりました。
決議は、米国を名指しこそしていないものの、エルサレムの地位に関する「最近の決定」に「深い憂慮」を表明。関連の安全保障理事会決議に従い、地位の変更に関するいかなる決定・行為も「無効」で、「撤回されなければならない」とし、全加盟国に大使館を置くことを避けるよう要請しています。
安保理は18日、同様の決議案を採決したものの、米国の拒否権行使によって廃案。安保理決議と異なり、総会決議に法的拘束力はありませんが、国際社会の総意を改めて示しました。
米国のヘイリー国連大使は、この投票は米国の方針をなんら変えず、大使館をエルサレムに置く方針を改めて表明。一方、「投票は国連や、国連で我々を見下す国々に対する米国の見方を変えるだろう」と述べ、国連への拠出金や賛成国への援助の削減を示唆しました。