2017年12月18日(月)
競馬場のATM
銀行カードローン 野放し
廃止はクレジット会社のみ 「借金で馬券」歯止めかからず
競馬場・場外馬券売り場内に設置されている銀行ATM(現金自動預払機)についてのギャンブル依存症対策で、日本中央競馬会(JRA)が行ったキャッシング(融資)機能廃止の対象から銀行カードローンが除外されていることが17日、本紙の調べでわかりました。競馬場ATMでは現在も銀行カードローンを使って融資を引き出すことが可能で、借金での馬券購入に歯止めがかかっていません。(竹腰将弘)
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政府のギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議は8月にまとめた対策で、競馬場に設置されているATMがクレジットカードによるキャッシングを利用可能であり、そこで調達した資金で馬券購入が可能となっていると指摘。「ATMのキャッシング機能を廃止する又(また)はATMの撤去を行うこと」と廃止方針を示しました。
これを受けてJRAは、全国の5競馬場、1場外馬券売り場内に設置されているATMについて、クレジット会社のキャッシング機能を廃止する措置を取りました。
ところがそのさい、銀行カードローンの融資機能については廃止の手だてをとりませんでした。
銀行カードローンの過剰貸し付けが社会的な問題になり、「第2のサラ金」とも呼ばれる深刻な被害を広げているなか、JRAの対応は、まったく実効性に欠けるものになっています。
JRA報道室の話 政府の関係閣僚会議の指摘はクレジットカードによるキャッシングサービスだけを問題にしており、銀行カードローンについては具体的に言及されていないことから、特段の手だてをとらなかった。今後どうするかは決めていない。
銀行カードローン 銀行が消費者向けに行っている無担保小口融資。サラ金と同等の高金利をとる一方、改正貸金業法の融資額の総量の制限の対象外となっていることから、多重債務対策の「抜け穴」になっているという見方がされています。