2017年12月15日(金)
沖縄の運動ゆがめ報道
BPO MXは重大な放送倫理違反
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BPO(放送倫理・番組向上機構)の放送倫理検証委員会は14日、沖縄の米軍基地建設に反対する住民を「過激派」などとゆがめて報じた東京MX「ニュース女子」(1月2日放送)に対し、「重大な放送倫理違反があった」とした意見書を公表しました。
同番組は、MXのスポンサーである化粧品会社DHCの子会社「DHCシアター」(当時)が制作。検証委員会が“持ち込み番組”を審議するのは初めてで、事前に番組の内容をチェックする局の考査が適正に実施されたかどうかを検証するため、委員会独自に委員を沖縄に派遣しました。
意見書では、番組が「過激な反対運動」の実例としてあげた「救急車を止めた」「日当をもらっている」などについて、「裏付けとなりうる事実が認められない」と、取材の欠如を指摘しました。
さらに「反対派の連中」「過激派デモの武闘派集団『シルバー部隊』」といった侮蔑的表現のチェックを怠ったことをあげ、「放送倫理上の問題が含まれている番組を適正な考査を行うことなく放送した点において、重大な放送倫理違反があった」とのべています。
MX側は放送後の2月21日、「(番組は)放送法及び放送基準に沿った内容」だと開き直った「当社見解」を公表しています。同委員会の川端和治委員長は記者会見で「放送法、放送基準に沿った番組とは言えない。考査を適正に行わなかったことは明らか」だと批判しました。