2017年12月5日(火)
2017とくほう・特報
辺野古新基地ノーは“自分の問題”
全国に連帯広がる
沖縄県名護市辺野古に米軍新基地を建設するとの日米両政府のたくらみを断念させようと、ゲート前で抗議・座り込みを始めて1200日を超えます。抗議の輪には、「オール沖縄」の県民とともに、毎週のように各地から駆けつける人たちがいます。「基地撤去は、沖縄の問題でなく、日本人が解決すべき自分たちの問題」と話す、その行動と思いを追いました。(阿部活士)
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各地にネットワーク
ゲート前座り込み1238日を迎えた11月25日。うるま市、北谷(ちゃたん)町、南風原(はえばる)町…。色とりどりの「島ぐるみ会議」の旗が鮮やかです。午前8時すぎには「違法工事中止せよ」「オスプレイ配備撤回」と書かれたボードを掲げて数百人が座り込みます。長野市内で沖縄料理店と三線(さんしん)工房を営みながら、「信州と沖縄を結ぶ会」の共同代表を務める北村親雄さんが、日本共産党の渡久地修、比嘉瑞己両県議の横に座り込みます。
北村さんは、上田市、佐久市、松本市、辰野町、中川村で沖縄の民意を実現しようと活動するほかの市民グループに呼びかけて「信州沖縄ネットワーク」を10月に結成しました。沖縄の情報を共有し学びながらゆるやかにつながるネットワークです。今回は、北村さんがガイドとなって「観光コースにない沖縄への旅」として初参加の女性ら8人が辺野古、高江に足を運びました。辺野古の浜やゲート前で、そろって三線で抵抗の歌とも呼ばれる「安里屋ユンタ」を弾きました。
「沖縄で三線を弾く夢がかなった」というのは信濃町の渡辺朗さん(57)。「海での工事が始まったというニュースに、がっかりする思いが強かったけど、実際に来てわかることばかりです。辺野古テント村で20年以上も国にやることにあらがってきたとの説明を聞けてよかった。まだまだ新基地建設をはね返せる。希望をもってこれからも運動をやっていけると、地元に戻ったら伝えていきたい」
ゲート前で「次回からは信州沖縄ネットワークの統一ゼッケンをつけて駆けつけたい」とあいさつした北村さん。「沖縄で起きていることは沖縄の問題でない。おれたちの課題です。長期戦です。当事者だという思いを抱けるかどうか。全都道府県に沖縄と連帯するネットワークができたら“基地いらない”の大きな力になる」と意気込みます。
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長年“敷布団”のように
沖縄に連帯するたたかいで“敷布団”のように長年続けてきたのが、安保破棄中央実行委員会です。毎月のように、辺野古・高江支援行動を組んでいます。県レベルの組織がいくつかでできています。その一つが岡山です。通称“沖岡”。「オール沖縄に連帯する岡山県連絡会」です。
安保破棄岡山県実行委員会の事務局長、伊原潔さんは、「戦争法反対の総がかり行動という共闘がすすむなかで、辺野古の基地問題が課題になった。辺野古や高江に行こうとの個人的な思いを組織的にやろうと結成しました」といいます。沖縄で起きている事態を岡山県民に知らせることを主眼にしています。ことしも7月に玉城デニー衆院議員を招いて、「沖縄県民のくらし・オール沖縄の闘い」と題した講演学習会を開き、辺野古支援に出かけた男性が生々しく訴えました。
ゲート前「仲間がいる」
全国に広がる沖縄連帯の動きを、受け入れる側はどうみているのか。
ゲート前のたたかいを役割分担しながら責任をもってやってきた沖縄県統一連事務局長の瀬長和男さんは、この3年間で全市町村に「島ぐるみ会議」ができて「オール沖縄」の辺野古支援行動が組織的なたたかいに進化したと強調します。同時に、「個人、グループ、団体と形態はさまざまですが、とぎれることなく辺野古に駆けつけてくれる。現場にいると基地許さないという仲間が全国にいると実感できて、たたかいの新たな意欲になります」
来月28日告示 名護市長選・稲嶺氏勝利をともに
瀬長さんは、工事を断念させる現場のたたかいと同時に、来年1月28日告示の名護市長選の重要さを訴えます。
名護市長選では「翁長知事と力を合わせて新基地建設を断固阻止します」と公約する稲嶺ススム市長が3期目めざして、奮闘中です。
「たたかいの中心は市長選になります。実際、工事を止めているのは現場のたたかいとともに、県と名護市の権限にあります。相手陣営は、首相官邸あげて立ち向かってきます。いち市長選ですが、安倍暴走政治をストップかける全国的意義のあるたたかいです。2期8年間の稲嶺市政は、基地からの交付金をなくても、予算を増やし、教育・子育てなど抜群の実績です。ゲート前に駆けつけた人が稲嶺市政の実績も含めて地元で広げてほしい」
さきに紹介した“沖岡”の伊原さんは話します。「新基地建設反対で重要な名護市長選の稲嶺3選は全国の課題です。勝利のためカンパ活動とともに現地への支援活動を年末から1月にかけて強めたい」