2017年11月10日(金)
気候変動による移民受け入れを
COP23でNGOが訴え
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【ボン=岡本あゆ】ドイツ・ボンで開催されているCOP23(国連気候変動枠組み条約第23回締約国会議)で8日、ノルウェー難民評議会などのNGOが会見し、先進国は気候変動による移民を受け入れるよう訴えました。
世界では毎年、平均2500万人以上(2008〜16年)が、災害によって住んでいた土地から移住。気候変動による異常気象や海面上昇に迫られての移住も含まれます。
会見で気候変動専門家のサイモン・ブラッドショーさんは「気候変動の被害を抑えるのは大切です。しかし途上国の人々が最終的に移住を選ぶ場合、安全と尊厳をもって受け入れられなければなりません」と強調。「気候変動に歴史的責任のある先進国が対応を」と訴えました。
バングラデシュのアミール・ハークさんは、サイクロンによって同国内で年間約120万人が住居を失っていると報告。自らも被災した経験を語り「移住は人々を精神的に揺さぶります。これは交渉の題目ではなく、人々や共同体の問題です」と声を震わせました。
海面上昇の被害を受けて、オーストラリアなどに国民の国外移住を行っているキリバスのアノテ・トン前大統領は「移住は尊厳でなくてはなりません」と指摘。先進国の責任について、映画「タイタニック」(1997年)にたとえて「あなた方は私たちを救助ボートに乗せるのか。それとも自分の居場所を守るために、海に押し返すのか」と語りました。