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2017年11月10日(金)

主張

辺野古新基地工事

強権・無法に県民は屈しない

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 沖縄県の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に代わる同県名護市辺野古の新基地建設に向け、防衛省沖縄防衛局は、埋め立て予定海域の2カ所で新たな護岸工事を始めました。先月の総選挙では、沖縄の四つの小選挙区のうち三つで新基地反対を掲げた「オール沖縄」候補が勝利しました。新たな護岸工事の強行は、総選挙で明確に示された県民多数の意思を踏みにじる安倍晋三政権の反民主主義・強権政治の本質を改めてあらわにするもので許されません。

新たな護岸工事の強行

 新たな護岸工事が強行されたのは今月6日です。同じ日、東京都内では、就任後初来日したトランプ米大統領と安倍首相が首脳会談を行いました。

 外務省の発表によると、両首脳は会談で「普天間飛行場の辺野古崎沖への移設が同飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策であることを確認」したとし、辺野古への「移設」=新基地建設をあくまで推進する姿勢を重ねて強調しました。

 重大なのは、両首脳が「(移設の)一層の遅延が平和及び安全を提供する能力に及ぼす悪影響に留意しつつ、普天間飛行場代替施設(FRF)の建設計画の着実な実施を求めた」としていることです。新基地に反対する沖縄県や名護市、県民のたたかいについて、建設の「一層の遅延」が生まれれば「平和と安全」に「悪影響」を与えるかのように決めつけ、敵意をむき出しにしたものであり、絶対に容認できません。

 沖縄の民意が明らかになった総選挙からわずか2週間後、日米首脳会談の開催に合わせるかのように新たな護岸工事を強行したのは、辺野古の新基地を「唯一の解決策」とする日米合意を忠実に履行しようとする安倍政権の姿をトランプ大統領にアピールするとともに、既成事実を作ることによって県民の諦めを狙ったものであることは明らかです。

 しかし、沖縄県の翁長雄志知事が指摘しているように、今回とは別の場所で4月に初めて強行された護岸工事は、半年以上たっても約100メートルで止まっています。「計画されている護岸総延長の約1・2%にすぎない状況」(6日、知事コメント)です。知事は「今回、2カ所の護岸への着手も、工事が進んでいるように見せかけているだけであり、二度と後戻りができない事態にまで至ったものではありません」(同)と強調しています。

 もともと沖縄防衛局が強行している護岸工事は、法令上不可欠な県の岩礁破砕許可を受ける手続きも行わないまま進めている違法なものです。今回着手した護岸工事の埋め立て海域では希少サンゴが見つかり、県は直ちに工事を停止して協議するよう求めていましたが、沖縄防衛局はそれさえ拒否する無法ぶりです。

沖縄のたたかいに連帯

 あらゆる手法を使って新基地建設を阻止するという翁長知事や名護市の稲嶺進市長の断固とした姿勢と県民らのたたかいを前に、安倍政権も違法な工事をやすやすとは進められないでいるのも現実です。日米両政府や米軍の無法に抗し続けてきた県民の不屈の精神が変わることはありません。沖縄のたたかいに全国が連帯し、必ず新基地建設を阻止しようではありませんか。


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