2017年11月9日(木)
COP23inボン
「史上最も暑い5年間」
WMO報告 温室ガス 過去最高の上昇
13年〜17年
【ボン(ドイツ西部)=伊藤寿庸】国連の世界気象機関(WMO)は7日までに、2017年が観測史上最も暑い3年のうちの一つとなり、13年〜17年は史上最も暑い5年間となるとの報告書を発表しました。
ドイツ・ボンで開かれている国連気候変動枠組み条約第23回締約国会議(COP23)の会場で記者会見したターラスWMO事務局長は、「地球温暖化は引き続き進行している」と指摘。開幕した6日にあわせた発表で、気候変動に取り組む緊急性を訴えました。
報告書は、▽温室効果ガスは、15〜16年の二酸化炭素濃度が、過去最高の年3・3ppmの上昇となり、403・3ppmに▽北極の海氷面積が17年を通して平均以下で、3月初めの最大面積は1979年から2017年の間の最小から5位以内に入る。南極の氷の面積も平均以下――などと指摘。
このほか、海洋の表面温度は、観測史上第3位以内の高さになる見通しで、ユネスコによると、世界遺産に指定された29カ所のサンゴ礁のうち、14年〜17年に白化する温度に達したのは24カ所に上るとしました。
洪水では、8月のシエラレオネの土砂崩れで500人以上が死亡。インド、バングラデシュ、ネパールの大洪水で1200人が死亡し、4000万人が家を失うなどの被害も報告しています。
東アフリカの干ばつで1100万人が被災、各地を厳しい熱波が襲い、山火事が多発している実態も詳しく明らかにしています。