2017年11月9日(木)
辺野古過剰警備で税金を浪費
海上警備費 1.9億円「過大」
業者言い値で日当6万円
会計検査院指摘
沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に抗議する市民らを監視・弾圧するための過剰警備が問題になる中、埋め立て予定地の米軍キャンプ・シュワブ沿岸での海上警備費が1億8880万円も過大だったことが8日、明らかになりました。会計検査院が同日、安倍晋三首相に手交した2016年度の決算検査報告書で指摘しました。
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会計検査院が調査したのは、15年7月から16年10月までの間に、防衛省沖縄防衛局がライジングサンセキュリティーサービス(東京都)と結んだ3件の海上警備業務契約(契約金額計46億1190万円)。新基地建設に反対し、船やカヌーで工事に抗議する人たちの警備にあたるもの。現場での業務はライジング社の100%子会社マリンセキュリティー(沖縄県沖縄市)が請け負っています。
報告書によると、防衛局は警備員の労務費の算定で、「業務内容の特殊性を考慮」し、通常の労務単価1日9時間当たり2万2680〜2万5440円は採用できないとし、ライジング社が見積もりした3万9000〜5万9400円という、通常の1・7倍〜2倍超の労務単価をそのまま採用。警備員の労務費を計12億1223万円と算定しました。
しかし、業務は警備員に特別な技能等を要求するものではなく、制限区域内に近づく船などに対し、立ち入らないよう注意するなど一般的な内容でした。
しかも、実際に海上警備にあたった警備員に支払われた賃金は1日当たり9000〜1万円程度でした。
検査院は、警備業者からの見積もり単価をそのまま採用しているのは適切でないとし、計算し直すと労務費は計10億2339万円となると指摘しました。
抗議船の船長を務めるヘリ基地反対協議会の仲本興真事務局長は、「マリン社は抗議する市民の顔写真を撮り、名前を記したリストをつくるという憲法違反の人権侵害を平然とやっている。防衛局が新基地建設のため、そうした業者の言い値で発注し、税金を湯水のように浪費していることに怒り心頭です」と話しました。
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抗議活動への干渉やめよ
国会内外で辺野古の警備問題を追及してきた日本共産党の赤嶺政賢衆院議員の話
抗議活動を抑える警備の強化を口実に法外な予算を浪費する大問題です。海上警備を請け負うマリン社は、労働基準法違反の長時間労働や残業代未払い、パワハラ、燃料の海中投棄など多くの不法行為が指摘され、私たちも是正を求めてきました。これらは、抗議に対する過剰な警備体制のなかでうまれたこと。防衛省は正当な抗議活動や表現の自由への干渉をただちにやめるべきです。