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2017年10月29日(日)

国会 課題山積

十分な審議 やっぱり必要

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 政府・与党が総選挙後、国会審議を軽視する姿勢をいっそう露骨にしています。11月1日召集の特別国会の会期を8日間にし、審議もせずに閉会させることを提案。野党の質問時間を減らすことも検討しています。特別国会で十分な審議時間を確保して政府をただすことは、総選挙で示された民意や選挙後に起きている事態を踏まえれば当然です。(佐藤高志)


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(写真)「安倍政権NO、健全な政治で戦争や格差のない社会を」と訴えながら行進する人たち=5日、東京都中央区銀座

膨らむ「もりかけ」疑惑

 加計学園をめぐる疑惑などについて、安倍晋三首相は「国民に説明しながら選挙を行う」といいながら、選挙中の街頭演説ではこの問題に一切言及しませんでした。問題となっている加計学園の獣医学部新設は、11月前半に大学設置・学校法人審議会の可否判断となる見通しです。公平・公正であるべき行政が安倍首相に近い人物の利益のためにゆがめられたという疑惑はいっそう膨らんでいます。

 政府・与党は、野党が「森友・加計学園」疑惑の真相解明のための臨時国会開催を憲法に基づいて求めても無視。疑惑隠しのために臨時国会の冒頭解散を強行した揚げ句、総選挙後の国会審議も拒否するなど何の道理もありません。

 総選挙では、米軍新基地建設に反対する「オール沖縄」の3候補が当選。原子力規制委員会が「適合」判断を下した東京電力柏崎刈羽原発のある新潟では野党候補が4勝するなど、民意を踏みつけにしてきた安倍政権に対する強い怒りの意思が示されました。総選挙で示された民意にどう向き合うのか―。安倍政権は、国民に対して十分な説明をする必要があります。

米軍ヘリ事故・北朝鮮

 外交・安全保障分野でも課題は山積しています。

 沖縄では、民間牧草地に墜落・炎上した米軍ヘリ事故の原因説明もないまま同型機の飛行が再開され、日本政府がそれを全面的に容認する事態まで生まれています。異常な対米追随を続ける安倍政権の姿勢が問われます。

 北朝鮮をめぐる情勢が緊迫するなか、安倍首相は「あらゆる選択肢がテーブルにあるという米国の方針を支持する」と繰り返し表明しています。「あらゆる選択肢」には軍事的選択肢=先制攻撃も含まれます。安倍首相は選挙中の党首討論で、日本共産党の志位和夫委員長から「米国にはっきり軍事的選択肢をとるべきではないと迫るべきだ」と問われても明確に答えませんでした。

 トランプ米大統領は11月5日から7日の日程で来日。6日には安倍首相と首脳会談を行う見通しです。日本政府がどのような姿勢で北朝鮮問題に臨むかを国会で説明し、十分に審議する必要があります。

 国連総会では27日、日本政府が提出した核兵器廃絶決議案が賛成国を大きく減らして採択されました。賛成国が減ったのは、決議案に核兵器禁止条約への言及がないことなどが要因です。

 核兵器廃絶に対する日本政府の消極的な態度も国会で厳しくただす必要があります。

社会保障削減の予算案

 一方、暮らしをめぐっては、社会保障費を大幅削減する財務省案が25日の財政制度審議会で示され、大問題になっています。

 財務省は2018年度予算編成などに反映する社会保障改悪を提示。診療報酬と介護報酬の引き下げ、生活保護の医療扶助の改悪などで社会保障費を削減する方針です。

 消費税増税を迫りながら、総選挙が終わった途端に、社会保障費の削減を具体化する安倍政権の姿勢が根本から問われています。


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