2017年10月22日(日)
「ラッカ解放」正式宣言
民間人死者1100人超 シリア
米軍が支援するシリア民主軍は20日、過激組織ISが首都としてきたシリア北部ラッカの解放を正式に宣言しました。これを受け米軍主導の対IS有志連合が同日、声明を出して祝福しました。(小玉純一)
シリア紛争を監視するシリア人権監視団は同日、米軍の空爆支援を受けたシリア民主軍が6月5日にラッカに進攻して以来の戦闘や空爆による死者数について、子ども276人、女性203人を含む民間人1172人、IS戦闘員1371人と発表しました。シリア民主軍は同時期の自らの部隊の死者を655人としました。
有志連合の空爆を監視してきた民間団体エアウォーズは19日、同時期の空爆によって民間人が少なくとも1300人死亡したと発表。シリア民主軍の6月の進攻前に有志連合がラッカと周辺を空爆した際も、民間人多数が巻き添えとなったことを改めて指摘しました。
シリア人権監視団はラッカ市街の8割が破壊されたと指摘。国連人道問題調整担当官も同市街の8割は人が住めない状態と見ています。戦闘で30万人近い人々がラッカを離れており、帰還が難しい事態です。
なおシリア民主軍の主体となっているクルド人部隊が19日、ラッカ中心部で、隣国トルコのクルド人武装勢力、クルド労働者党(PKK)の創設者オジャラン氏の写真を掲げました。PKKをテロ組織として掃討作戦を続けるトルコのユルドュルム首相は20日、「米国はテロリストと協力した」と非難しました。