2017年9月22日(金)
対北朝鮮
「対話は必要ない」
米の「軍事的圧力強化」支持
安倍首相 国連演説
【ニューヨーク=池田晋】安倍晋三首相は20日午後(日本時間21日未明)、国連総会の一般討論で核・弾道ミサイル開発を続ける北朝鮮問題について演説し、「(核計画放棄のために)必要なのは対話ではない。圧力だ」と述べ、対話と交渉による解決を全面否定しました。
19日から始まった一般討論では、グテレス国連事務総長をはじめ各国首脳から、緊張が続く朝鮮半島情勢に強い懸念と、外交的・平和的解決を求める声が相次いでいます。対話否定論は、国際世論とかけ離れたものです。
首相は、核開発の凍結や放棄を決めた1994年の米朝枠組み合意や、2005年の6カ国協議共同声明後も北朝鮮が核を放棄しなかったとし、「対話による問題解決の試みは一切ならず、無に帰した」と強調。「北朝鮮の挑発を止めることができるかどうかは、国際社会の連帯にかかっている」とし、中ロを念頭に11日に採択された安保理決議の完全履行を訴えました。
一方、首相は「『全ての選択肢はテーブルの上にある』とする米国の立場を一貫して支持する」と述べ、軍事的圧力の強化を支持する立場をあらためて強調しました。
19日の討論でトランプ米大統領は、自国防衛が迫られれば北朝鮮を「完全に破壊する」と述べ、波紋を広げました。