2017年9月15日(金)
基準値 120倍ベンゼン
豊洲地下水 土壌汚染対策後最大
東京都が築地市場(中央区)の移転先とする豊洲新市場予定地(江東区、東京ガス工場跡地)の地下水から、発がん性物質のベンゼンが土壌汚染対策後最大となる環境基準の120倍検出されたことが14日、分かりました。
調査は、昨年12月までに実施した9回の地下水モニタリング調査で高い濃度が検出された箇所など29カ所で、月1回行っているもの。8月14〜21日にかけて行った調査では、ベンゼンは24カ所中18カ所で環境基準(水1リットルあたり0・01ミリグラム)を上回りました。最も高い濃度が検出されたのは青果売場棟がある5街区の井戸で、基準の120倍にあたる1・2ミリグラムが検出されました。この地点は、今年1月に公表した第9回モニタリング調査で基準の79倍にあたる0・79ミリグラムが検出されていました。
猛毒のシアン(環境基準は検出されないこと)は、23カ所中17カ所で検出されました。最も濃度が高かったのは水産仲卸売場棟のある6街区で、検出下限値(1リットルあたり0・1ミリグラム)の15倍にあたる1・5ミリグラムが検出されました。
小池百合子知事は、新市場予定地の土壌・地下水を環境基準以下にする「無害化」の約束を撤回し、市場移転を進める方針を表明しています。都の移転方針に対して、多くの市場業者や科学者から「食の安全・安心は確保できない」「移転は中止し、築地で再整備を」との批判が上がっています。