2017年8月21日(月)
米労組大会で基地問題分科会
“沖縄の声、広げたい”
訪米・伊波氏ら被害訴え 参加者から反響
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【アナハイム=池田晋】設立25周年の大会を開催中のアジア・太平洋系アメリカ人労働者連盟(APALA)は19日、当地で、沖縄の米軍基地問題をテーマにした分科会「日本における連帯を求めて」を開きました。オール沖縄第2次訪米団の伊波洋一団長(参院議員)らの訴えを受け、参加者からは自らの組織や団体に持ち帰って理解を広げたいとの決意の声が多く聞かれました。
訪米団から、伊波団長と大城悟・沖縄平和運動センター事務局長、高里鈴代オール沖縄会議共同代表が報告しました。
伊波氏は、沖縄のエメラルドの海を日本政府が米軍新基地のために大規模な埋め立てを計画しているとし、「これ以上の基地に耐えることはできない」と強調。「それぞれの組合での決議を地域の議員にも働きかけてほしい」と呼びかけました。
大城氏は、建設現場での連日の県民のたたかいによって「工事はもう2年以上遅れている」と説明。沖縄の運動が日本全国だけでなく、海外からも応援に訪れるまでに広がってきているとし、「沖縄県民は決して、決して諦めない」と話しました。
高里氏は、米兵による性的暴行が9カ月の子どもにまで及ぶ、戦時中から続いてきた過酷な沖縄の人権侵害の実態を報告。米兵個人の犯罪にとどまるものではなく、「これは(軍による)構造的な犯罪だ」と指摘しました。
同日の沖縄新基地反対の大会決議採択に尽力したカリフォルニア大学ロサンゼルス校労働研究教育センターのケント・ウォン所長は、「米国政府や軍の名で、平和を愛する沖縄の人々の人権が侵害されている。止めるのは、われわれの責任であり、義務だ」と話しました。また「この会場にあるのは、運動が始まる潜在性だ」と述べ、各自の組合や組織に持ち帰って沖縄の問題を広げることを訴えました。
日系米国人で教員労組から参加したアリーン・イノウエさん(67)は「70年におよぶ闘争にとても心が動かされました。あなたたちが平和への道を開いてきたことを誇りに思います。私たちができること全てをやりたい」と語りました。