2017年8月9日(水)
平和と統合の50年
ASEAN共同宣言 “役割果たす”
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【マニラ=井上歩】東南アジア諸国連合(ASEAN)は8日、創設50周年にあたり加盟10カ国首脳による共同宣言を発表しました。50年間の成果の上に「ルールに基づく人間中心のASEAN共同体」として平和増進や地域統合を進め、「地域主義のモデルとして世界で責任ある役割を果たしていく」決意を表明しました。
首脳宣言は、50年前のバンコク宣言(設立宣言)の理念がASEANを平和と安定、政治協力と経済統合の道に導いてきたと指摘し、ASEAN憲章で法制化された機構の諸原則の意義を強調しました。バンコク宣言が提唱した理念には「平和や自由、繁栄などの理想を達成する最良の道は、歴史的・文化的な絆を持つ地域諸国間に理解と協力を育むこと」などが含まれています。
10カ国首脳は「国際法に従った紛争の平和的解決」などで地域の平和、安全と安定を維持・促進する誓いを確認。ASEANの力量をいっそう高め、「将来の課題に共同体として効果的に対処していく」とともに、広域的な安全保障構造づくりで中心的役割を果たす決意を示しました。
2025年までの共同体ビジョンを実現する取り組みを強化し、域内発展格差の縮小、貧困撲滅と生活向上などを通じ、「人間の発展と持続可能な発展の全面実現」を目指すと表明しました。