2017年8月4日(金)
対ロ制裁強化法が成立
米大統領は消極姿勢
ロ企業への投資を制限
【ワシントン=遠藤誠二】トランプ米大統領は2日、対ロシア制裁強化法案に署名し、同法が成立しました。トランプ大統領は署名にあたって「(法案には)重大な欠陥がある」との声明を発表し、同法に全面的に賛成したわけではない考えを表明しました。
対ロシア制裁強化法は、ロシアの米大統領選挙に対するサイバー攻撃による介入やウクライナ紛争に対する制裁を強化するもので、ロシア政府による米国へのサイバー攻撃に関与した個人の資産凍結、個人・団体によるロシア企業への投資制限などが盛り込まれています。エネルギー部門への参加を禁止し、投資を行っている企業(外国含む)も制裁の対象となります。
また、大統領が既存の制裁を緩和する場合、議会での審査が義務付けられます。同法はイラン、北朝鮮への追加制裁も含まれます。
今回の法案は上院が6月に可決し、下院が7月25日に419対3の賛成多数で可決。上院に再度送られた後、同27日に98対2の圧倒的多数の賛成で可決され、大統領に送られました。
プーチン・ロシア政権との関係改善を模索するトランプ政権は、同法案に消極的でしたが、共和党を含む議会の圧倒的多数で可決されたことから、拒否権を発動しても議会に覆される(3分の2の票で再可決)可能性が高く、やむなく署名に追い込まれた形です。