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2017年7月26日(水)

論戦ハイライト

加計学園問題 小池氏追及

「一点の曇りもなし」に裏付けなし

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 25日の参院予算委員会で、学校法人「加計学園」の獣医学部新設の疑惑をめぐる核心を追及した日本共産党の小池晃書記局長。安倍晋三首相は「(政策決定には)一点の曇りもない」などと繰り返していますが、この日の答弁でも、「総理のご意向」「加計ありき」などの疑惑を晴らす裏付けは何も示せませんでした。


写真

(写真)小池晃書記局長(右)の質問に答弁する安倍晋三首相(左)=25日、参院予算委

新設計画

首相「1月20日知った」というが

小池氏「答弁ひっくり返した」

 加計学園の獣医学部新設をめぐって、加計学園理事長の友人である安倍首相と首相側近たちがどのように関与したのか―。小池氏はまず、安倍首相が加計学園の獣医学部新設計画を知った時期についてただしました。

 小池氏は、安倍首相が計画を把握したのは「今年1月20日」(24日の衆院予算委員会)などと答弁したことについて「まったく信じられない」と指摘。安倍首相がこれまで、加計学園が獣医学部新設の要望を持っていたことを愛媛県今治市が構造改革特区や国家戦略特区に申請を出した段階で「知り得た」「承知した」と答弁してきたこと(別項)をあげ、次のようにただしました。

 小池 知りうる立場にあったと言っただけで(実際には)知らなかったということか。

 首相 知りうる立場にあったが、数十件ある案件の一つにすぎず、実際には今治市の提案について、まったく認識していなかった。

 小池 そんな答弁はだめだ。今まで答えてきたことを今になってひっくり返すような話を言い出している。

 小池氏は、加計学園の計画を突然、「知らなかった」と強弁する安倍首相を厳しく批判。一方、加計学園理事長の加計孝太郎氏が昨年8〜9月に、安倍内閣の関係閣僚に次々と面会し、獣医学部新設の意向を伝えていた事実を示しました。

 小池氏の追及に、山本有二農水相は昨年8月23日に面会し、「その折に獣医学部の話は聞いた」と答弁し、山本幸三地方創生担当相は昨年9月7日に面会し、「獣医学部の提案をしたいので、よろしくお願いしたいという話があった」と答えました。また、松野博一文科相は昨年9月6日に面会したことを認めました。

 小池氏は、安倍首相も昨年8〜9月を前後して、加計氏と会食・ゴルフを何度も繰り返していると指摘。獣医学部の新設は昨年9月の国家戦略特区諮問会議で提案され、急速に進んだとして、「安倍首相は、これだけ加計氏と頻繁に会っているのに、(加計氏は)関係大臣には獣医学部の新設を伝えておきながら、安倍首相にだけは伝えなかったというのか」と追及しました。

 小池 「信じろ」と言われて、国民は信じられるか。

 首相 私は仕事の場面では(加計氏と)会っていない。役所の中で陳情を受けることは一切ない関係できた。

 「理解してほしい」の一点張りで、何ら根拠を示せない安倍首相。小池氏は「納得できない」として、加計氏の証人喚問を求めました。

 さらに昨年9月には、国家戦略特区の担当でもない和泉洋人首相補佐官が、文部科学省の前川喜平前事務次官を呼び出し、獣医学部推進を指示しています。

 このときのやり取りについて小池氏がただすと、前川前事務次官は「内閣総理大臣補佐官という職にあるものとして私に要望されたのだろうと思っていた。(和泉氏から)『総理は自分の口から言えないから、私が代わって言う』という言葉があり、加計学園のことだと理解した」と証言。一方、和泉補佐官は「一般論として、こういった改革は、スピード感をもって取り組むことが大事だと言った」としか答えませんでした。

 小池氏は「安倍内閣で重要な役割を果たしてきた人の言い分が真っ向から食い違っている」として、証人喚問による真相究明を改めて要求しました。

■加計学園の獣医学部新設の要望を知った時期をめぐる安倍首相の答弁

○5月9日の参院予算委員会

 森ゆうこ議員(自由党) 加計孝太郎氏が今治市で国家戦略特区による獣医学部新設の希望を持っていることを知っていたか。

 安倍晋三首相 加計学園が、当然これは特区に申請を今治市が出し、特区に申請した段階において当局から説明を受けるわけで、その段階で当然総理大臣として知り得た。

○6月5日の参院決算委員会

 平山佐知子議員(民進党) 大親友である加計さんが、ずっと獣医学部を新設したいという思いであったことは当然ながら知っていただろう。

 安倍晋三首相 これは安倍政権になってから、国家戦略特区に、その申請を今治市とともに出された段階で承知した。

伝達事項文書

文科相「問い合わせに答えたもの」

小池氏「加計には懇切丁寧に」

 小池氏は、前日の衆院予算委で松野文科相が存在を認めた文科省の内部文書「加計学園への伝達事項」に追及を進めました。文科省は、国家戦略特区諮問会議が獣医学部の新設を決定する前日の昨年11月8日に、学園側に文書の内容を伝えていました。小池氏が5月の文教科学委で文書を明らかにした際には、松野文科相は調査を拒否していました。

 小池 獣医学部新設の対象は、加計学園と考えていたということだな。

 文科相 大学設置の事前相談は従来から受けている。文書は加計学園からの問い合わせに答えたものだ。

 通常業務の範囲内と主張する松野文科相に対し、小池氏は「伝達事項」と一緒に文科省内で回覧されていたメールを提示。そこには「大臣及び局長より、加計学園に対して、文科省としては現時点の構想では不十分だと考えている旨早急に厳しく伝えるべき、というご指示がありました」と書かれ、質問に答えたというような穏やかな中身ではありません。

 「伝達事項」も、国家戦略特区での獣医学部新設の要件である既存の獣医学部との差別化や、獣医師の具体的需要の説明などの点について、加計学園の構想に厳しい懸念を示しています。

 文科相 (諮問会議が)決定しても、獣医学部新設には別途(大学設置審議会による)設置認可が必要。そのために、さまざまな課題をクリアしなければならないと伝える必要があった。

 小池 要するに諮問会議で加計学園しか通れない穴をつくったけれど、今のままでは穴を通れないので懇切丁寧に情報提供したということだ。

 文科相 大学設置審に向けたアドバイスだ。

 あくまでしらを切る松野文科相に、小池氏は同氏の事務所に「伝達事項」を告発してきた人物のメッセージを紹介しました。メッセージは「諮問会議における正式な決定前に、加計学園側とこうした『すり合わせ』が行われていたことからも、『総理のご意向』を叶(かな)えるべく文部科学省が出来レースに加担していたことは明らかである」と告発しています。

 これに対し、自民党席から「誰が言ってんだ」などのヤジが飛びました。

 小池 われわれがこういう文書を出すと「出所不明」「怪文書」という。全く反省していない。首相も「一点の曇りもない」という発言は撤回すべきだ。

 首相 プロセスは適切だと考えている。

 小池 一点の曇りもないなどという発言に国民は不信を高めているのだ。

写真

(写真)日本共産党の小池晃書記局長に送られてきた文科省の内部文書「加計学園への伝達事項」とメールの写し


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