2017年7月23日(日)
モスク近く探知機 抗議
イスラエル強行 中東各地で大規模行動
【カイロ=小玉純一】中東のエルサレム、ヨルダン川西岸、ガザ、アンマン、ベイルート、イスタンブールなどで21日、イスラエル警察がエルサレム旧市街のアルアクサ・モスク(イスラム教礼拝所)の敷地入り口に金属探知機を設置したことなどに抗議する大規模な行動が取り組まれました。エルサレム旧市街周辺などではイスラエル警察と衝突し、パレスチナ人少なくとも3人が死亡、多数が負傷しました。
エルサレム旧市街など死者
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金属探知機は、アラブ系イスラエル人がイスラエル警官2人を銃撃し死亡させた14日の事件を受けて、イスラエル警察が封鎖した敷地を16日に部分的に開放した際に導入しました。探知機は門型で、これを通らずには敷地に入れません。以来、イスラム教徒が連日抗議を続け、しばしばイスラエル警察と衝突してきました。
アルアクサ・モスクの指導者たちは、探知機導入に抗議し、信者たちに探知機の通過拒否を呼びかけました。信者の多くはイスラエル警官の監視を受けながら敷地の外で祈っています。
敷地外で祈った地元ビジネスマンのサラム氏は、「探知機をわれわれの礼拝所の入り口に設置するのは、われわれの家の玄関に設置するようなものだ。自分の家に行くのに探知機を通るのか」とロイター通信に話しています。
敷地はイスラム教徒がハラム・アッシャリフ(「高貴な聖域」の意)と呼び、サウジアラビアのメッカ、メディナに次ぐ第3の聖地。ユダヤ教徒が「神殿の丘」と呼ぶ聖地でもあります。
イスラエルが1967年のアラブ諸国との戦争で、旧市街がある東エルサレムを占領し併合した際、それまで統治してきたヨルダンとの合意で、この敷地での礼拝をイスラム教徒のみに許可し、ユダヤ教徒は敷地に立ち入ることはできても、礼拝はできないものとしました。イスラム教指導者たちは、探知機設置を敷地管理の変更であり、モスクへの支配を強めるとみて、イスラエルを非難しています。
アルアクサ・モスクの指導者は19日、東エルサレムの信者に対し21日の金曜礼拝を地元でなく旧市街で行うよう呼びかけました。
イスラエルは21日、旧市街に3000人の警官を配置し、50歳未満の男性の敷地内立ち入りを禁じました。