2017年7月13日(木)
大垣警察違憲訴訟
市民監視を正当化
岐阜県が居直り反論
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中部電力子会社の風力発電所建設に反対して勉強会を開いた地元住民らの個人情報を、岐阜県警大垣署が情報収集し、同子会社に提供していた「大垣警察市民監視事件」―。被害者4人が岐阜県に損害賠償を求めた訴訟の第3回口頭弁論が12日、岐阜地裁(池町知佐子裁判長)で開かれました。
この日、被告の県は「警察の情報収集は具体的な犯罪発生のおそれがある場合に限定されていない」などと、警察の市民監視を正当化する主張をしました。
被告の県は、大垣署による個人情報の収集が事実か、認否を明らかにするよう池町裁判長から求められていました。今回の口頭弁論が、認否の回答期限でしたが、県側は「認否できない」と答えました。また、大垣署が4人の個人情報を中電子会社に提供したことの認否も明らかにしませんでした。
大垣署による市民監視は、中電子会社が作った議事録が明るみに出て発覚しました。
議事録には「大々的な市民運動へと展開すると御社の事業も進まないことになりかねない」という大垣署員の発言が記録されています。大垣署が中電子会社に肩入れする一方で、住民らを「過激な運動を起こす可能性」と事実無根に“犯罪者扱い”しています。
この日、県側は「議事録は、原告らの活動を抑圧する目的で行われた情報収集であったことの証拠になりえない」「不偏不党、公平中正に反する情報収集だったことの根拠とならない」などと主張しました。
裁判後、原告と支援者らが開いた集会で弁護団長の山田秀樹弁護士は「議事録をみれば、大垣署と中電子会社がどんな目的で情報交換をしたのかは明らかだ。反対運動を起こさせないためだと明確に言っている」と指摘しました。