2017年7月11日(火)
「慰安婦」博物館建設へ
韓国 女性家族相 被害者と懇談
韓国女性家族省の鄭鉉栢(チョン・ヒョンベク)相は10日、「慰安婦」被害者が共同で暮らす「ナヌムの家」(京畿道広州市)を訪問し、ソウル市内に「慰安婦」博物館の建設を推進する方針を明らかにしました。地元メディアが伝えました。
同省によると鄭氏は、「慰安婦」問題について、「韓日だけの問題ではなく、人類普遍の人権問題だ」と強調。解決に向け、この問題を最優先に位置付ける強い意志を示したいとの意向から、就任後初の訪問先に被害者との懇談を希望しました。
鄭氏は、被害者らを前に博物館建設について、「戦争がもたらした人権侵害を記憶し、注意を喚起する役割を果たすことができるよう、交通の便がいいソウル市内につくりたい」と発言。博物館を通じて「慰安婦」問題に関する安定的かつ体系的な調査・研究事業を推進したい考えです。
同氏は戦後70年が過ぎているにもかかわらず「(被害者の)名誉を回復できず、恥ずかしく思っている」と謝罪するとともに、2015年12月28日に日韓外相でまとめた「慰安婦」問題解決に向けた「日韓合意」の再交渉にも言及。閣僚候補時代から、合意の再交渉の正当性を主張してきた立場から「積極的に取り組んでいく」とし、「どのようにしたら新しく日本と交渉をして解決するか検討中だ」と語りました。
面会した被害者の金君子(キム・クンジャ)さんは「70年が過ぎても私たちは名誉も回復していない」と訴え、姜日出(カン・イルチュル)さんは「日本から真の謝罪と補償を受けなければならない。これ(謝罪と補償)は次世代のためのもの」と政府に早期解決を訴えました。(栗原千鶴)