2017年7月7日(金)
グローバル連帯サミット開催
G20に市民ら代案議論
公正で民主的な世界を
ドイツ
【ハンブルク=伊藤寿庸】20カ国・地域(G20)首脳会議が7日開幕するのを前に、ドイツ北部ハンブルクで5日、公正で民主的な世界を目指して首脳会議への代案を議論する「グローバル連帯サミット」が2日間の日程で始まりました。20カ国以上から1200人が参加しました。
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工場跡地を利用した劇場をメイン会場として、12のパネル討論と、70以上の分科会で、グローバル化、気候変動、平和、難民・移民、民営化、途上国の問題など多彩なテーマで議論を行います。
開会のパネル討論で基調講演をしたバンダナ・シバ氏(環境・市民権活動家)は、2008年にリーマン・ショックをきっかけに始まったG20だが、世界の富の格差はますます拡大していると指摘。「G20は金融の集中を続けるためにつくられた『シェルパ』(「荷物運び」転じて「代理人」)だ。本当の主人は、世界の大企業だ」と述べました。
製造系の世界の産別労組が結集した「インダストリオール・グローバルユニオン」(5000万人)のバルター・サンチェス書記長(ブラジル)は、「グローバル化の下で、労働条件と賃金を低くするため労組をなくしていこうという動きがある」と告発しました。同時に、ブラジルのゼネストや新興国・途上国で組合をつくるなど、抵抗が起こっていると述べました。
南アフリカのパトリック・ボンド氏は、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)など新興国のモデルがより公正というのは事実ではないと強調。南アフリカでエイズ治療薬の知的所有権を解除して無料で提供したような「人民のグローバル化」が必要だと強調しました。
「平和の代案」をテーマにしたパネル討論では、ライナー・ブラウン国際平和ビューロー(IPB)共同議長が、G20は世界の武器輸出の85%、現存する核兵器の96%を占めるが、核兵器禁止条約交渉の国連会議には背を向けてハンブルクに集まっていると批判しました。