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2017年7月3日(月)

米空軍特殊作戦機 空自ヘリに空中給油

“戦闘地域”の捜索を具体化

横田基地 周辺自治体に通告なし

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 米空軍特殊作戦機が航空自衛隊のヘリコプターに対し、沖縄でのオスプレイの事故(昨年12月)と同様の夜間空中給油訓練を初めて行っていたことが、米空軍横田基地ホームページのニュース(6月26日付)でわかりました。新たな「日米軍事協力の指針」(新ガイドライン、2015年4月27日)や戦争法=安保関連法に基づく日米合同作戦体制の具体化が進んでいます。(佐藤つよし)


 「チーク・ジェット」と名付けられた演習は、横田基地(東京都福生市など多摩地域5市1町)を拠点に、嘉手納基地(沖縄県)の米空軍第353特殊作戦群と、航空自衛隊浜松救難隊(静岡県)、小松救難隊(石川県)の協力関係の構築を目的に6月9〜21日に実施。太平洋と日本海上空で、空自救難隊のUH60J救難ヘリに、米空軍の特殊作戦機MC130HコンバットタロンII、MC130JコマンドウIIから空中給油を行いました。

 基地のある福生市では、北関東防衛局を通じて提供される横田基地での米軍の訓練の情報を、市のホームページに掲載しています。しかし「今回の訓練については、連絡はきていないので、ホームページに出していない」とし、周辺自治体への通報がないまま演習が強行されていました。

「初の演習だ」

 同ニュースで米軍の演習指揮官は、航続距離の極端に短いヘリは、海岸から遠く離れた海上での活動では着艦や空中給油による燃料補給が必要だとして「ヘリに対する空中給油の核心は、より多くの救命物資の輸送や医療後送(負傷者の後方地域への救急輸送)の準備に要求されるような、長距離飛行と大量の輸送をできるようにすることだ」と述べました。

 特に今回の演習の独自の目的を、暗視ゴーグルを使用した夜間のヘリに対する空中給油だと説明し「本州の空自救難隊とは、これまで行ったことのない初の演習だ」と強調しました。高い技術が求められる実戦への対応を想定した演習だったことをうかがわせます。

 捜索・救難活動の日米協力については、旧ガイドライン(1997年)では、日本は「日本の領域及び戦闘行動が行われている地域とは一線を画される日本周囲の海域」と限定していました。

 新ガイドラインは、墜落し戦闘地域や敵の支配地域に降下したパイロットなどを救助する「戦闘捜索・救難」まで自衛隊の米軍への支援を拡大しました。「日本以外の国に対する武力攻撃に対する対処」にも含まれ「日本と周囲の海域」という地域の限定も取り払われました。

 今回の演習が、日米軍事一体化を進める新ガイドラインの具体化として、米軍の戦闘作戦の一部の戦闘捜索・救難に、自衛隊を動員するための訓練となっています。

基地強化に反対

 横田基地の撤去を求める西多摩の会の高橋美枝子代表は「米軍特殊作戦機MC130Jは、9日に横田基地に飛来。14日は午後4時30分ごろから約2時間タッチアンドゴー等の飛行を訓練し、19日に嘉手納基地へ帰投しました。横田基地が演習の拠点だったのですね。横田基地への特殊作戦機CV22オスプレイ配備にも基地強化にも反対です」と話していました。


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