2017年6月15日(木)
豊洲土壌汚染追加対策
「ほぼ実現不可能」
専門家4氏
東京都豊洲新市場の土壌汚染対策を検討する都の専門家会議が11日に決定した追加対策について、環境、建築の専門家4氏は14日、連名で「ほぼ実現不可能な対策」だと批判するコメントを発表しました。
コメントを出したのは、各務裕史(元岡山県農林水産総合センター農業研究所副所長)、畑明郎(日本環境学会元会長)、坂巻幸雄(日本環境学会元副会長)、水谷和子(1級建築士)の4氏。
専門家会議の「追加対策」は、建物下の地下空間底面にシートを敷くなどして汚染物質を封じ込め、地下水管理システムを増設して汚染地下水の上昇を抑え込むことなどを提案したもの。
コメントは、この「追加対策」について、汚染の実態(深さ・場所・量・土質)を明らかにしないままの無謀な案だと批判しています。また、地下空間底面にシートを敷く案について、国内で施工された例がなく地震の振動によってシートの破れやはがれが懸念されると指摘。
地下水管理システム増設案について、同システムが十分に機能していない原因究明を行わないままの提案であり、「試行錯誤的なもの」にすぎず「実効性に乏しい」としています。
「汚染土壌を掘削除去しないかぎり地下水の完全浄化は困難」だと述べ、都に「市場としての利用断念も視野に熟慮英断」することを求めています。