2017年6月4日(日)
安保理が北朝鮮制裁決議
全会一致 対象の団体・個人を拡大
【ワシントン=遠藤誠二】国連安全保障理事会は2日、弾道ミサイル実験を繰り返す北朝鮮を「最も強い言葉」で非難し、同国に対する資産凍結や渡航禁止の制裁対象に4団体・14個人を追加する決議2356を全会一致で採択しました。
制裁指定された4団体は、金正恩(キム ジョンウン)・朝鮮労働党委員長の資産管理を行う部署と関係がある高麗銀行や弾道ミサイル実験を行う朝鮮人民軍の「戦略ロケット軍」など。個人は対外情報活動を監督しているとされるチョ・イルウ偵察総局第5局長ら軍や党の幹部らです。
決議はまた「平和的、外交的、政治的な解決」に関与することを表明。加盟国による「対話を通じた平和的かつ包括的な解決への努力を歓迎」し、朝鮮半島内外の緊張を緩和する取り組みの重要性を強調しました。
米国のヘイリー国連大使は会合後の会見で「米国は平和的な外交による状況の解決を追求し続ける」と述べるとともに「もし必要なら北朝鮮の攻撃に対する別の手段での対抗措置の準備は維持する」と表明しました。
韓国外務省の趙俊赫(チョ ジュンヒョク)報道官は3日、論評を発表し「決議を評価する」とした上で「韓国政府は決議を履行しながら制裁と対話など、あらゆる手段を使って北朝鮮の非核化のために努力する」と述べました。
北朝鮮に対する安保理制裁決議は2006年に北朝鮮が核実験を行って以降、7回目。トランプ米政権下では初めてです。米国と中国がこの間、協議を続け米国が決議案を提案し採択されました。