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2017年5月30日(火)

豪 市民権認めた国民投票50年

先住民 高揚 もっと権利を

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 オーストラリアのアボリジニとトレス海峡諸島民ら先住民の市民権を認めた1967年の国民投票から27日で50年となり、権利拡大を求めた運動が盛り上がりを見せています。先住民は26日、議会に助言できる先住民の組織を創設することなどを盛り込んだ声明をとりまとめました。(日隈広志)


 ロイター通信などによると、先住民の地域代表約250人は24〜26日に内陸部のウルル(英名エアーズロック)周辺で会議を開催。実質的な待遇改善を議論しました。声明は、先住民の現在の置かれた状況を「危機」とし、その原因が政治的な無権利に由来すると指摘。先住民に政治的な権限を与え正当な地位を確保するため、議会に助言する組織の設立を憲法に明記するよう求めました。

 また、先住民と政府の間で条約の締結を要求。豪州はイギリス植民地の中で唯一、先住民と土地の権利をめぐり条約を締結してこなかったことから、条約が過去の不公正に対し、政府からの補償の基礎となると期待されています。

 ターンブル首相は27日の演説で、67年の国民投票を評価しつつ、先住民が求める改憲は「諮(はか)るかどうかは議会の義務だ。そして国民だけが(国民投票で)できる」と述べ、自身の見解を避けました。

 先住民代表の一人、ノエル・ピアソン氏は、先住民が議会に助言できる組織を憲法上に明記することは「単に飾り言葉を挿入するにとどまらず、より実体ある象徴的な行動だ」と地元メディアに語っています。

 声明は6月末までにターンブル首相と野党党首に提出され、議会で検討されます。

 67年の国民投票では、先住民を「国勢調査の対象としない」「立法の対象としない」という憲法の条文の削除を9割の賛成で決定しました。しかし国際援助団体オックスファムによると現在、非先住民に比べ平均寿命は10〜17年短く、教育や就労などでも格差と差別が続いているといいます。

 豪州の先住民は約70万人、総人口の約3%です。6万年前から同大陸や北部のトレス海峡諸島で暮らしてきました。18世紀、英国が豪州を植民地とし、先住民は無権利状態に置かれました。


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