2017年5月28日(日)
公務員・教員らスト
ポルトガル
財政再建 成果を賃上げへ
ポルトガルで26日、公共部門労働者、教員らによる賃上げ要求ストが行われました。同国では、欧州連合(EU)が反緊縮政策によって財政状況の改善を実現したコスタ左派連立政権を評価したばかり。労組側は、財政状況が好転しているなら、さらなる賃上げをと政府に迫っています。
「公共部門労組共同戦線」の幹部アナ・アボイラさんはロイター通信に対し、労働者の約75%がスト行動に参加し、「医療・教育分野の参加率は9割近い」と語りました。
報道によると、全国で数百校が休校となり、公立病院では救急部門など最低限の業務だけに制限されました。
同国では、コエリョ前政権下で社会保障削減、医療・教育機関の閉鎖など緊縮財政政策が取られ、失業や貧困が増大。現在のコスタ政権は、緊縮策を転換し、最低賃金の引き上げ、各種増税を撤廃し、国民生活を向上させながら、財政再建を図ってきました。
22日には、EUもこの努力を評価し、ポルトガルを「過剰債務是正」の対象から外すとの方針を発表していました。
公務員賃金は一定引き上げられましたが、11年の緊縮策開始前の水準を回復していません。労組側は今年中に緊縮策前の水準に戻すよう要求しています。
(菅原啓)