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2017年5月21日(日)

「共謀罪」の人権制約に懸念

国連特別報告者 安倍首相に書簡送付

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 国連のプライバシー権に関する特別報告者のジョセフ・ケナタッチ氏は18日、「共謀罪」法案について、プライバシーや表現の自由を制約するおそれがあると懸念を示す書簡を安倍晋三首相あてに送付しました。

 ケナタッチ氏は書簡で、「共謀罪」法案は他の法律と組み合わせて幅広い適用が行われる可能性があり、「プライバシーの権利やその他の基本的な国民の自由の行使に深刻な影響を及ぼす」と指摘しました。

 特に、共謀罪の成立要件とされる「計画」と「準備行為」の定義が漠然としていることや、対象となる犯罪に明らかにテロや組織犯罪とは無関係な犯罪が含まれているといった問題点をあげ、どんな行為が処罰の対象になるか非常に幅広く解釈されるおそれがあり、刑法の原則として求められる「明確性」に適合していないとしています。

 また、▽共謀罪を立証するためには監視を強めることが必要となるが、プライバシーを守るための適切な仕組みを設けることが想定されていない▽監視活動に対する令状主義の強化も予定されていないようだ―といった問題点も指摘しました。

 特別報告者は、特定の問題を調査・報告するために国連の人権理事会が任命する独立の専門家。ケナタッチ氏はIT法の専門家で、2015年にプライバシー権に関する特別報告者に任命されました。


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