2017年5月18日(木)
平穏な大垣求める市民運動
監視の警察に憤り
岐阜地裁
違憲訴訟原告
「共謀罪」の先取り「大垣警察市民監視事件」の違憲訴訟で第2回口頭弁論が17日、岐阜地裁(池町知佐子裁判長)で開かれました。原告で住職の松島勢至(まつしま・せいし)さん(65)が陳述しました。
松島さんは、地元で中部電力の子会社が計画する風力発電について勉強会を開いたところ、岐阜県警大垣署から監視されていました。さらに大垣署は中電子会社と、松島さんら4人の個人情報を交換。中電子会社の議事録で、大垣署員は「大々的な市民運動に発展すると御社の事業も進まない」「平穏な大垣市を維持したい」と発言していました。
陳述で松島さんは「地域に住む人たちの生活を守りたいから、勉強会を始めた。それを警察は『平穏』を壊すというが、逆だ。私は平穏な地元を維持したくて行動した」と強調。「警察は開発業者を応援するのが仕事なのか。大いに疑問だし、憤りを感じる」と県警を批判しました。
原告側の小林明人弁護士は「市民が萎縮せずに表現できる社会づくりのために、警察の情報収集に厳格な法的規制が必要だ」と述べました。
被告の県は請求棄却を求め争う姿勢ですが、情報収集の内容について認否を明らかにしていません。この日の口頭弁論で池町裁判長は県側に対し、次回までに認否を明らかにするよう求めました。
裁判後の報告集会には、傍聴者や支援者ら120人が参加し、全員で「共謀罪を許さない」と声を合わせました。