2017年5月18日(木)
税逃れ対策強化求める
井上氏 アマゾンの回避例指摘
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日本共産党の井上哲士議員は16日の参院外交防衛委員会で、経済協力開発機構(OECD)が立ち上げた多国籍企業の税逃れ対策(BEPS)プロジェクトにふれ、租税回避対策が国際的に進んでいることを明らかにし、日本が各国と結んでいる租税条約にも内容を反映して取り組みを強めるよう政府に求めました。
従来のルールでは、外国法人が日本国内で事業を行う際、事業所などの恒久的施設(PE)がなければ申告・納税する必要がなく、租税回避に悪用されてきました。井上氏は、国内に巨大倉庫を置きながらPE認定を回避して課税逃れをした通販大手のアマゾンの例を紹介。2015年10月にBEPSが出した最終報告書で「PE認定の人為的回避の防止」が盛り込まれたことについて政府の認識をただしました。
財務省の吉田正紀主税局参事官は、報告は「現行のPEの定義を拡大する」もので、倉庫についても認定が可能となり、租税回避に対して「一層的確に対応できる」との認識を示しました。
井上氏は、報告の合意事項を既存の租税条約に盛り込むための多国間条約が昨年11月に採択されたと指摘。日本と各国との租税条約に合意内容を盛り込むなど「さらなる取り組み強化が必要だ」と迫りました。
岸田文雄外相は、米国も含めた租税条約において「BEPSの勧告を踏まえた内容にするためしっかり対応していきたい」と述べました。